不遇のミミズ
メランコリック
不遇のミミズ
焼け落ちるいまや生類らしからぬ生類
無惨に衆目の一切にも留まらず転がる
厳格に燻る道をミミズが蠢く
異様な柔肌の下でのみ波打つ苦悶そして錯誤した歩行 明らかな不遇に括りつけられ阿鼻地獄を不器用にのたうつ
四方八方で餓鬼畜生はせせら笑い貪り踏み躙る 不遇もどきで罪を勘定した大威張りの者共が日向にも日陰にもアスファルトにも土にも鮮やかなる足跡を落とす 不遇のミミズに追い打ちしたとて罰など下る筈もなし
されどミミズはゆく 黄昏にだらりだらりぶら下がらんと 不遇の姿を晒し上げる陽に抗議せんと 炙られながら這いずる 這いずり這いずりやがて曇りなく黒黒とし影へと埋もれた
ざっくばらんで音痴な雑踏が消え去った頃 空に間延びするか細い糸の様な残照だけが須臾見下ろした 地に境界を敷く煤けた紐を
遇のままならぬこと
不遇のミミズ メランコリック @suicide232
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