Extraordinary

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その日の夜。



今いる家には闇金の人間が待ち伏せしている可能性が高いので



リカバーブレイブの拠点で泊まることになったロミオ


拠点といってもここはそもそもナックの自宅の一部らしく



建物の構造はコンクリートビルで五階建て

リカバーブレイブの拠点は二階と三階で


4階はナックの家、一階は車庫らしい


今現在上の階はナックがいる。

何かあれば言って欲しいと付け足し



下着などの着替えはシシーがコンビニで調達してきてくれてなんとかなるようで。



寝室は今日ほとんど過ごしてきたであろう医療室のベッドを借りることになった。



設備も普通の家と変わらない風呂もトイレもありキッチンもある。


食料はカップ麺ばかりだが今日1日ということと皆が好きなものを食べてもいいと承諾したことにより腹も満たされて特に不満はなかった。




_______が



ロミオ「(…寝れねぇ…)」


ロミオの目は異常に覚めていて。



水を飲もうとキッチンに行くと





シュシュ「およ??

どったの??こんな時間に」


カップ麺を作っているシュシュがいた。


ロミオ「シュ、シュ!!お前こそなんで!こんな時間にいんだよ!」


みんな帰ったはずだろ?

とロミオが聞く



時計は午後10時を指していて



シュシュ「あれ?言ってなかったっけ??

私もナックと一緒に住んでるんだよ。階は違うけど」

私は五階〜

と言いながらカップ麺にポットで沸かしたお湯を注ぐ


シュシュ「いやぁ、さっき例の闇金の事務所に色々調べに行って帰ってきたんだけどさ


帰ってきたらお腹すいちゃって


部屋の冷蔵庫からだし今からコンビニ行くのもな〜って


ここにカップ麺置いてること思い出してきちゃった。」


タイマーを3分にセットにてスタートボタンを押す


ロミオ「!こんな夜中にか!?てかもう行ってきたのか??」



シュシュ「大丈夫だよ〜。ホーリーも一緒だったし。


それに夜中じゃないと粗探しって難しいし!

早めに解決するに越したことはないでしょ?


あ、お陰で明日にはおまわりさんに連行できそうだよ〜」



ロミオ「…そっか。その、ありがとう」

とロミオはぶっきらぼうに短くお礼を言った


シュシュ「どーいたしまして。」


とちょうどタイマーが3分になり音が鳴る前にシュシュはストップボタンを押したり


シュシュ「で??ロミオこそどーしたのこんな夜中に。」



麺を覚ましながらロミオに問いかける


ロミオ「……なんとなく寝れなくて」



シュシュ「そっか。うんうん。

じゃあそんなロミオにこの私おすすめの

はちみつバター&クリームチーズラーメンを半分分けてあげよう!


ミルク入ってるからきっと身長も伸びるし!

チーズでおっぱいも大きくなるかも!!」


とシュシュは取り皿と箸を出したそこにカップ麺の半分を分けた。


ロミオ「これでは伸びねぇだろ………

てか俺は乳いらねぇよ。



…いただきます。」


ロミオは黙々と食べる


ロミオ「!意外とうまい…だと!?」


シュシュ「ふふん!でしょ?でしょ?










あのさ……怖い?この先のこと。もう普通の生活に戻れないこと。」



しばらくの麺を啜る音だけなら沈黙を破りシュシュはそう問いかける。




ロミオ「……ダセェけど…ちょっとだけ。


別にお前らに助けてもらったこともお前らの仲間になったことも後悔はしてない。



俺が決めたことだしこれはけじめだ。



あの時、死んでたかもしれねぇ人生なんだ


この先、どんなことがあってもこの選択を後悔はしねぇ…けど…


予測できねぇ非日常になるのはやっぱり怖ぇ」


シュシュ「……じゃあ、だいじょーぶ。


私達も毎日不安で怖くていろんな怒りを背負っててます。



それでもちゃんと皆で支え合って助け合って


自分の

そして大切な仲間の


体と傷ついた心を救うために


非日常の恐怖と戦ってここで笑ってる。


ロミオだってそんな私たちの一員だからね!」



ロミオ「……!!んだよ。小っ恥ずかしいセリフ言いやがって」


ロミオを照れを誤魔化すように残りのラーメンを平らげて立ち上がったり



ロミオ「ごちそーさん!おら!洗いもんはやっとくからお前は歯ぁ磨いて風呂入ってさっさと寝ろ!!


いっとくけど寝不足だと身長も乳も育たねぇぞ!」


シュシュ「えぇ!?それ本当!?!?

だから私他の同年代よりもどっちもないの!?


ね、寝れそうな時に寝とかなきゃ!


洗い物任せた!!おやすみ!!いい夢を!!」


シュシュもカップ麺のゴミを捨てて箸をロミオに託して慌てて自身の部屋に向かう。




ロミオは腹が軽く満たされたからかそれとも心のモヤが取れたからかその後洗い物と歯磨きを済ませると



すぐに眠りにつけた。


____________________________________


そしてあっという間に翌朝




ロミオ「……夢じゃねぇんだな」


をが冷めたロミオは昨日と同じ医務室のベッドの上で


ここ数日のことが全て現実であることを再認識する。


だが、心は不思議と軽かった。





着替えをして顔を洗おうと医務室を出る


洗面台へと向かう途中のリビングには



シュシュ「あ!ロミオ!おはよ〜」




ナック「おはよう。ロミオくん」

とシュシュとナックがすでに拠点に出勤?していた



ロミオ「はざっす。顔洗ってくる」


とロミオは一言断りを入れてから洗面台に向かう


しばらくして顔を洗い歯を磨いたロミオがリビングに戻ってくると



シュシュ「どーれーにーしーよーおーかーなー」

とシュシュがカップ麺を選んでいる



ロミオ「……お前ら朝飯は??」


とロミオに聞かれて


シュシュはこれとカップ麺をさし



ナックは飲んでいたコーヒーを指差した。



ロミオ「正気か??いつもそうなのか??」


とロミオは唖然とする



シュシュ「うん?私は火が使えないから料理ほとんどできないし。  


ナックも車椅子だとやっぱり危ないし。



いつもはスーパーとかコンビニでおにぎりとカット野菜食べてるけど。


じゃないとナックがうるさいんだよ。

料理してあげられないのは申し訳ないけどせめて栄養のあるものを食べて欲しいって。


自分は朝、コーヒーしか飲まないくせに!」


ナック「私と違って君は成長期だからね。君の保護者として料理もできない私が言うのもなんだが栄養はとってもらはないと」


シュシュ「はいはい。

でもほら、今は冷蔵庫からだから今日の夜3日分くらい買い足す予定はあるし


とりあえず朝はカップ麺でいいかなって。


ロミオも食べる??」



と二人が料理できない事情が

あるのは承知の上で


ロミオはバっと医務室にある自身の荷物の財布を確認する。


ロミオ「(よかった!1586円もある!闇金の奴ら流石に入ってなさすぎて取る気が受けたんだな!


今の俺に取っては大金だからありがてぇ!!)」



ロミオは財布を持って再びリビングに戻ると



ロミオ「朝飯ちょっと待ってろ!!」

といって


スマホで近くにある24時間営業のスーパーを探して拠点を出て行った



シュシュ「???……本当にどうしたんだろう………




あ!ロミヲの護衛!!」


と一人で出て行ったしロミオのことを思い出してシュシュはハッとした



ナック「心配せずともシシーがついさっき入り口付近で出会したみたいだ、そのまま一緒についていくらしい。」



は自身にきたメールに返信しながらそういった



_____________30分後



息を切らせ買い物袋を持ったロミオと

平然としているシシーが帰ってきた。



シュシュ「ロミオおかえり〜。シシーはおはよ〜」



とシュシュは呑気に挨拶する。


ロミオ「き、キッチン借りるぜ」

と息切らしたままそういった。




ナック「あぁ、好きに使ってくれて構わないよ。」



ロミオ「ところであんたは?朝飯食ったか?」

とロミオはシシーに問いかける


シシーは頷いて身振り手振りをするがロミオには理解できない



シュシュ「カツ丼食べて。お腹も心も満足だって」


とシュシュが通訳する。



ロミオ「今のでどうやって通じたんだよ…まぁいいか。」



ロミオはテキパキと手慣れたように食事を作る。



30分も立たず


ベーコンエッグにこんがり食パン

野菜たっぷりのポトフが完成した。



三人分の



ロミオ「くえっ!!!!」

と勢いよく二人の前にだす。



シュシュ「うぉ!?びっくりした、

わー!美味しそう!!


いいの?なけなしのお金だったんじゃ?」



ロミオ「ろくに朝飯食ってないやつを見てる方が気が気じゃねぇ!」



ナック「ふふっ、じゃあいただこうか。」



と二人は手を合わせる。



ロミオは自身の食事の前に


ポトフだけ四つめのお皿に入れると


隣の部屋でパソコンをしているシシーに渡す



シシー「?」


ロミオ「カツ丼食ってるならあんま腹減ってねぇだろうけど。


野菜は取るべきだき…もし腹に空きがあるなら」



シシー「!」



シシーは身振り手振りふる


シュシュ「まだ、お腹にスペースあるからありがたくいただきますって!」


それを食パンを食べながら通訳するシュシュ




それぞれが朝食をと理終わる頃には


続々とリカバーブレイブのメンバーが集まってくる。

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