自転車のコマ泥棒

ごさいのたんじょうび

いちごのケーキをたべた

ぱぱとままに

じてんしゃをかってもらった

じてんしゃはべんりだけど

うるさい

ぼくのじてんしゃはうるさい

みんなのじてんしゃはしずかなのに

ぼくもはやくコマなしになりたい

でもコマなしはこわいんだ

ぼくはこわがりでよわむしなんだ

かみさま、いるならぼくのコマをはずして！

🚲

じてんしゃのコマぬすまれた

コマなしのれないのにぬすまれた

こうえんにいかなきゃなのに

じてんしゃじゃないと

やくそくのさんじにまにあわない

しかたがないから

コマなしでのってみた

乗れた。

やってみたら乗れた

やってみなかったら

ずっとコマ有だったかな

🚴‍♂️

自転車を盗まれた

自転車通学なのに盗まれた

でも通学はどうでもいい

今日は日曜日

あの子と初めてのデートなんだ

駅前のケーキ屋に十五時

苺のケーキを食べるんだ

あの子とケーキを食べるんだ

遅れたら嫌われるだろうか

いやなんとしても間に合ってみせる

神様仏様、いるのなら僕を陸上選手にしてください！

僕は走った

🏃‍♂️

僕は足が速い

今はなぜだか速い

いつもは遅いのに

火事場の馬鹿力ってやつか？

いやひょっとして神様仏様が？

そうだよ

と

声がした

その声の主は韋駄天だった

韋駄天が僕に宿った

僕は韋駄天走りで

あの子の待つケーキ屋に向かった

🏃‍♂️======3

甘酸っぱかった。

あの子と食べた苺のケーキ

僕はあの日間に合った

十五時前に間に合った

僕はあの子と語らった

僕はあの子と付き合った

僕はあの子と結婚した

僕とあの子に子ができた

五歳になった

僕らは子に

コマつきの自転車を買った。