学舎の祭り

 文化祭2日目、校内は活気に溢れていた。




 「一緒に回ってくれてありがとう。言ってた友達とは回らんでいいん?」


 「うん!昨日一緒に回ったから。今日は地元の友達が来てて、その子らと回るんやって。」

 

 「そうなんや。一緒に回れてマジで嬉しい。俺、断られたとき結構落ち込んだんやからな。」


 「ええ、ごめん!まあ、結果オーライってことで。あ、あそこにいる!地元の友達と一緒で楽しそう!良かったー!」


 そういう女の子を男の子は優しい目で見つめている。





 「なあ、あんたのクラスの演劇めちゃくちゃよかったやん!実行委員頑張ったんやね。中学までなら実行委員とかやらんかったんちゃう?」


 「確かに。高校ではやってみてもいいかもなって思って。実行委員きっかけでみんなにまた会えたしやって良かった!」


 「もう、可愛いこと言うんやから!てか、中庭の有志発表見にいきたい!」


 「いいよ!なんか、クラスの男子たちが踊るらしい!」


  女の子たちはワイワイと楽しそうにしながら中庭に走って行った。





 「めっちゃかっこいいんやけど!」

 

 「わかる!真ん中の人やろ?それにダンスもめっちゃ上手いし。」


 「将来アイドルになってたりして。」


 「やば、アイドルの卵やん。今日から推すわ。」


 中庭のステージの真ん中で堂々と踊る男の子に皆の視線が釘付けになっていた。



 

 

 文化祭、それは日々過ごしている学舎が非日常空間になる祭りの日。いつもとは違う大小様々なきっかけがいつもを変える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

学舎の祭り 夏木 咲 @Blooming-edelweiss

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ