そこわかれ-3
いつの間にかすっかり日が暮れている。
赤いぼんやりとした光がひび割れたガラスから漏れ出ていた。
刻人さん、結局帰ってこなかったな。
那智は膝を抱えてそのままの姿勢でバタンとソファに転がる。
刻人さんにとって、自分はなんなんだろう。
そう那智は思う。
那智も、心霊がらみのトラブルがあったときに刻人に助けてもらった一人だった。
それからなんだかんだと絡んで隣に置いてもらっているが、どう見ても刻人は一人が好みのタイプだ。
一人で生活してそれで足りている。
そこに自分がうろうろするのは迷惑なんじゃないかと自虐的なことを考える。
ここにいちゃいけないんじゃないか。
何時間もボーッと考えこんでいたらしい。
あたりはすっかり暗くなり、部屋の中も闇に包まれているのに電気をつけるのも忘れていた。
ソファから立ち上がり、廃ビルから外に一歩踏み出す。
空には星も月も見えない。
ただ、闇が広がっている。
「もうし」
誰かが立っていた。
さっき来た女だということはわかった。
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