曖昧

あひゃひゃひゃ

第1話

私は意識を取り戻すと真っ暗な空間にいた。なぜかそこはいつもより軽く、落ち着く。そしてわけのわからないナニカを頭の中で霧散させ、消そうとした。なぜなら知らないほうがいいこともあるって、先生が言ってたから。先生の言うことは間違ってないに決まってる。そう信じる。でも、私は気づいていた。信じているということの背景には疑っていること他存在しないということに。意識が現実に戻ると瞼の裏には無数の穴とうようよした曲線がはびこっていたことに気付いた。意識を取り戻すとすぐさま言葉が降ってきた。(なんで私はあんな化け物を見ないといけないの)、(なんであんなものを見るようになったの)。どうして私は…。私はこれ以上嘆くと自分の魂を穢すことになると思い、とどまった。私は意識をそらしながらも過去の思い出の断片を集めて組み合わせていた。そうだ。思い出した。正確には思い出したのではなく見つけたに近い。

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曖昧 あひゃひゃひゃ @rigelexy

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