第2話 夢見たいだ 〜本当の恋へ〜
その日、学校が終わると、俺はすぐに華乃にLINEを送った。
「今日、会えない?」
華乃からの返事はすぐだった。
「うん!会いたい!」
俺たちは駅前で待ち合わせをした。久しぶりに会う華乃は、スマホ越しよりずっとかわいく見えて、俺はなんだか照れてしまう。
「輝人、来てくれてありがとう。」
「俺こそ……華乃に会いたかった。」
俺がそう言うと、華乃はちょっと頬を赤くして、笑った。
「ねえ、昨日のことだけど……もう一回言ってほしいな。」
華乃が上目遣いで言うから、俺は逃げ場を失ったみたいに心臓がバクバクして、でもちゃんと伝えたいと思った。
「……華乃、好きだよ。」
「ふふ、ありがと。でも、私ももう一回言うね。」
華乃が俺を見つめて、優しく微笑む。
「輝人、大好き。」
——なんか、夢みたいだ。
俺たちはそのまま歩き出して、いつものように他愛もない話をした。だけど、指先が偶然触れた瞬間、俺は思い切ってその手をそっと握った。
華乃は驚いた顔をしたけど、すぐにぎゅっと握り返してくれた。
「ねえ、輝人。もうさ、罰ゲームとかじゃなくて……これからもずっと一緒にいてくれる?」
「当たり前じゃん。」
俺たちは手を繋いだまま、並んで歩き続けた。
この気持ちは、絶対に『罰ゲーム』なんかじゃない。
——これは、俺たちだけの本当の恋だから。
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