父殺しの皇帝

アンダール帝国皇帝ヒュンゲン・フロスト・バンロードは大陸統一を目前にまできていた。
統一するためにはどんな手段でも使う。それがヒュンゲンのやり方だった。
領土は大陸を半分も征服し、残すところは反帝国同盟の盟主が治めるティーゼル王国と大陸の北西にある小国家群のみ。
膠着状態となり、数年の時を経て、皇帝ヒュンゲルは最後の王手をかける。
帝国軍１００万の軍を進軍させた。
漆黒の軍は国境を越え、村や街を破壊し、女子供を攫い、男は皆殺しにする。
さらに帝国軍は夜闇に紛れて小国の軍にも襲い掛かり、一晩で三つの国を滅ぼした。
城塞都市ぺルンにて、最後の決戦がひらかれようとしていた。
しかし、盟主であるティーゼルの姿はなく、周辺諸国からの援軍もない。
孤立無援となったぺルン城塞は死と恐怖が蔓延し、勝利目前と…続きを読む