貴方の忘形見

ロエ

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睡眠性心身消失症候群、通称「夢失病（むしつびょう）」の被害者が、昨日時点で九十五人に上りました。

夢失病に罹る原因は未だ不明で、日本医師会は原因解明に尽力しています。

夢失病は二年ほど前から、日本でのみ発症が確認されている奇病です。罹患した場合、朝起きたら身体の一部がまるで神経がなくなったかのように動かなくなる、五感のどれかがなくなる、記憶や感情の一部がなくなるなどの症状が現れます。神経や脳に一切異常はなく、治療法は現在に至るまで発見されておりません。発症した人の中で死に至ったケースはまだ確認されていませんが、一生障害を抱えることになるため非常に危険視されています。原因も不明なため予防ができず、人々の心に暗い影を落としています。

発症した人々は、口を揃えて「夢の中で知らない美術館にいた。そこで絵画に吸い込まれて、戻って来て、夢から覚めたら症状が出ていた」と証言しています。

このことから、ウイルスなどではなく何らかの精神疾患ではという説が有力ですが、世間では呪いや人ではない存在が原因ではとオカルト的なものとして捉えられています。

一刻でも早く原因が解明され、治療法が見つかることを切に願います。

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