闇サイトハンター番外編

クライングフリーマン

-------【書き出し指定・SF編】--------

「あの夢を見たのは、これで9回目だった。」


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

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 地球で長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、ハッカーの腕を買われて、アンダーメタ星雲の惑星間戦争の中で漂流してしまった探査船の救助船の乗り組み員として採用された。通信も出来る兵隊は、そうそういないからな。

 おっと、通信が繋がった。

 船長が探査船の船長を呼び出し、声をかけた。

「こちら救助船のロバート・デリカテッセンだ。船長。まだ無事か。」

「ありがとう、船長。こちらは、ケント・トーマソン船長だ。乗り組み員は、もう私しかいない。生命維持装置は、ギリギリだ。トラクタービームで搬入してくれ。」

「了解。山並。探査船をドッキングエリアに誘導してくれ。俺は、搬入口に向かう。」

「了解。」

 30分後。俺が医療室で救命設備を用意していると。ロバート船長とケント船長が並んでやってきた。

 俺は、心底驚いた。

 間はつぶっているが、ケント船長の肩には『人面瘡』があった。

 俺は、ケント船長の、反対側の腕に『宇宙点滴』を繋いだ。

 1時間もあれば、ケント船長は元気になるだろうが、『人面瘡』は、どうしていいか分からない。話には聞いている。宇宙には色んな病気があり、『人面瘡』は、一定の条件を満たせば成長する『宇宙ビールス』だ。

 ヴァクチンなんかない。治療薬もない。毒を注射して殺すしかない。『共生』関係にあるため、宿主は、情が沸いてきて、その方法を拒否する。

 ケント船長も例外では無かった。

「副船長だったジャックに似ているんだ。それより戦争は、どうなった?」

「負けたよ。ロッセオン星人の領地は、宇宙連邦の3分の2になった。これからどうなるかは分からない。ウランパー提督の指示に従うだけさ。」

「ウランパー?それ、前の提督だろう?」「伽昴(キャスバル)提督は、戦士したよ。で、ロートル登場だ。」

「もう見たくない。もう見たくない。」

 突然、目を覚ました『人面瘡』はうなされる様に言った。

「何を見たくないんだ?」俺は、そっと『人面瘡』に尋ねた。

「夢を見たんだ。もう9回目かな。俺が『人面瘡』になってしまう夢だよ。」

「疲れているんだ。少し、休め。リープ航法で飛べば、地球まで、一っ飛びだ。」

 俺は、船をリープ航法で地球に向かうようにセット。自室に戻って、1時間の仮眠を取った。


「郁ちゃん、郁ちゃん。」その声は?

 目覚めると、義姉の家のソファーで寝ていた。

「うなされていたわよ。9回も同じ夢を見るなんて、って。」

「・・・姉貴をレイプする夢さ。」

 しまった。姉は服を脱ぎ始めた。

 俺は、スマホを取りだし、架空の相手と話し始め、部屋を出た。

「もしもし・・・。」

 ―完―





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闇サイトハンター番外編 クライングフリーマン @dansan01

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