ゲスの輪廻
ソラニハル
第1話転生
1 ステータスとしては人並み以下の15歳引きこもりであった。桜が散り雨に濡れ湿気を帯びるころの深夜2時。街灯に照らされた醜い自分がよく見えた。赤信号。挙動不審の酔っ払いが前を通る。迫り来るトラック。この状況を知る者は俺独りであり未来を変えれるのも俺独りであった。走ろうとした駆け出そうとした、しかし脚は錆びていた。
「ァ゛」
声を張り上げようとした喉は錆びていた。
「ドゴッ」
鈍い音を出したこの世界は錆びていた。
2 即死だったらしい。事件が起きたその後は分からない。何故なら俺は関係が無いから、現場に居ただけの有象無象であったから。締め付けられた物があった。悲壮感や無力感に縛られ苦しいと言う心臓に、大脳は楽になろう逃げ出そう囁く。
3 ビルの屋上濁りに濁った雲の色。大脳の提案に頷いた心臓は鼓動を速めた。カラダは息を止め、心臓の声に耳を澄ました。
「怖い…」
心臓は少し浮いた。雲居を眺めればその先に綺麗な星空見えていた。鈍い音が世に響いた。
4
「…ま…まじか」
イタリアのような洋風の住宅街。
「転生ってホントにあるんだ…」
信じられい光景だが信じるしかない程に条件が整いすぎてる。お決まりとしては裏路地系ヒロインを助けるor理不尽に逮捕されるの2択かな。まぁ歩いとけばなんか来るやろ。そういえば能力はなんだろう容姿の変化は?気になることが多い。
「あれ?俺なんでこんな冷静なんだ?転生前まで死にたくて憂鬱で仕方なかったはずなのに…」
一里も離れぬところで口喧嘩が聞こえた、女性と何人かの男性だ。早急に急ぎ足で向かう
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