解説文を見ずに読み始めて驚いた。まさかのBL!しかも24歳の若者と還暦の男性。腐女子3年目にして初めてのシチュエーションにドキドキ!
主人公は還暦男性。年下の恋人が還暦祝いに温泉旅行をプレゼントしてくれ、2人で特急踊り子で熱海へ。
恋人の朝田は自分のことをあまり語らない。その彼が、自分の母親の事を語り始める。
それは、彼が同性愛に至った原因にもなったのかも知れない壮絶な話だが、そこには言及はない。そこは読む方の想像力に任せるというスタンスなのだろうか。
とにかく文章が美しい。純文学の定義は知らないし、作者がそのつもりなのかどうかもわからないが、この作品はそちらに入るのではないだろうか。
流麗な文体で描かれた物語。テーマとしては登場人物が同性愛でなくてもいいのでは?と思われる方もいらっしゃるかも知れないが、私はこのテーマだからこそ同性愛がピッタリだと感じた。
とにかく読んでみて欲しい。