好きになるには理由がある
何の取柄もない人が優しいと言う理由だけで好きになるのかと。
そんなのあり得るわけがない。
そこから意気投合した俺たちは激しく語り始めた。
そもそも何もない人間がいるのかと。人は誰しも何かを持って生まれるものだ。
そして優しいだけでモテるのなら住職とか優しいのだから、皆出家するべきだ。
だけど現実も物語も違う。陰キャが優しい面を見せたくらいで何にときめくんだよ
結局はギャップなのだと、それこそが心動く瞬間なのだ。
人見知りの天才が、喧嘩の強い不良が見せる本当の優しさに心が動くと。
完全無欠の天才が、誰隔てなく優しい子が見せる弱さに心動くと。
優しいだけのやつに何て誰も興味がないんだよ、自分の中にある才能と優しさを見たとき。
それが自分だけが知っているとわかったときに好きになるんだ。
息切れするくらい語った私たち、そして落ち着いてから2人揃って一言呟く。
「だから恋人いないんだよな俺たち」
「だから恋人いないんだよね私たち」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます