EITOエンジェル総子の憂鬱(仮)ー特別編

クライングフリーマン

-------KAC20255『三題噺「天下無双」「ダンス」「布団」』---------

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 南部(江角)総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。

 大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。

 久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。

 来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長

 藤島一郎・・・藤島病院院長。

 藤島ワコ・・・藤島病院看護師。

 小山・・・高校ダンス部顧問。


 =====================================

 = EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =

 ==EITOエンジェルズとは、女性だけのEITO大阪支部精鋭部隊である。==


 ※高校ストリートダンスグランプリ2025 決勝大会。

 大阪の、数ある高校生のダンス大会の一つで、今年は3月20日(祝日に行われる)。


 午前11時。藤島病院。和郷素子の病室。

 大前と総子がやって来ている。ぎんとジュンも一緒だ。

「残念やったな。こんな大怪我になってしまって。」総子が言うと、「皆で笑いに来たん?落ちこぼれに。」と、涙を流した。

「素子。お前は悪くない。喧嘩を止めに入っただけやないか。」ぎんが言い、「袋にされても抵抗せんかったんやてな。見上げたもんや。『天下無双』グループも『天下一』グループも検挙された。原因は、お前が考える程単純なもんやなかった。『ヤク』が絡んでたんや。」

「そうか。そやけど、もう高校ストリートダンスグランプリ2025は出られへん。メンバーにも迷惑かけた。ウチが欠員の決勝やなんて、勝たれへん。」

「レディース辞めて、『ダンス』に打ち込んだ。監督の先生も褒めてた。これだけセンスある子は、滅多にいやへんて。」今度は大前が発言した。

「あんまり、大っぴらには出来んけど、ジュンのグループも、ぎんのグループもレディース辞めてEITOに参加した。」

「え?ほな、EITOエンジェルズって・・・。」

「そういうこっちゃ。高校生最後の年やから、もう参加するチャンスは、無いかも知れん。でも、お前の俊敏さは生かす道がある。」

 大前に代わって総子が発言した。

「考えておいて。無理強いなんかせへん。ウチは『平定』の勇気を買いたい。」

 総子も、たった1人でぎんのグループとジュンのグループの平定を行い、皆は総子を慕ってEITOに参加したのだ。

 4人は帰って行った。

 入って来た、ワコはわざと突き放して言った。

「今日も涙でぐしょぐしょやな。『布団』のリース代、ちゃんと払ってな。」

「はい。」

 院長が入って来て言った。

「怪我治っても、気持ちが落ち着くまでおったらエエ。倒れたらな、立ち上がったらええねん。」

 院長と看護師が出て行くと、ダンス部顧問の教師小山が入って来た。

「今度、OBのダンスイベントをすることになった。来年やけどな。間に合わせなあかんで、キャプテン。」

 素子は、シーツを噛んでむせび泣いた。

 ―完―

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