第3話

「ただいま。はい、カルビ弁当。税込496円よ」



「わかった。あとで払うよ」



尚也は受け取った弁当をレンジに入れると、冷蔵庫から烏龍茶を出してコップに注いだ。



「お弁当代、今ちょうだいよ。すぐ忘れるんだから。ポケットにお財布があるじゃないの」



最近、尚也はお金を出したがらない。



新しく出来た彼女に使いすぎているのだろう。



「なんだよ。急にがめつくなったな」



「がめついのは尚也のほうでしょ。最近はずっとわたしのアパートでご飯食べてるんだよ。尚也が食材を買ってきてくれたことなんて一度もないじゃない。それに先月貸した5万円だってまだ返してもらってないんだからね」



「どうしたんだよ、急にカネカネって。食欲なくすなぁ。100万も借りたわけでもないのに、たった5万円くらいでグチグチ言うなよ」



まるでわたしのほうが悪者であるかのように、うんざりしたようすでカルビ弁当のフタをはずした。



なに食わぬ顔をしてカルビ弁当を食べている尚也が、無性に腹立たしかった。



よそのオンナにお金を使っているクセに!!



悲しい気持ちで自分の分のビビンバ弁当を食べる。



本当に痩せなきゃとは思う。



このニキビも一体、いつになったら治るんだろう。



お弁当「ただいま。はい、カルビ弁当。税込496円よ」



「わかった。あとで払うよ」



尚也は受け取った弁当をレンジに入れると、冷蔵庫から烏龍茶を出してコップに注いだ。



「お弁当代、今ちょうだいよ。すぐ忘れるんだから。ポケットにお財布があるじゃないの」



最近、尚也はお金を出したがらない。



新しく出来た彼女に使いすぎているのだろう。



「なんだよ。急にがめつくなったな」



「がめついのは尚也のほうでしょ。最近はずっとわたしのアパートでご飯食べてるんだよ。尚也が食材を買ってきてくれたことなんて一度もないじゃない。それに先月貸した5万円だってまだ返してもらってないんだからね」



「どうしたんだよ、急にカネカネって。食欲なくすなぁ。100万も借りたわけでもないのに、たった5万円くらいでグチグチ言うなよ」



まるでわたしのほうが悪者であるかのように、うんざりしたようすでカルビ弁当のフタをはずした。



なに食わぬ顔をしてカルビ弁当を食べている尚也が、無性に腹立たしかった。



よそのオンナにお金を使っているクセに!!



悲しい気持ちで自分の分のビビンバ弁当を食べる。



本当に痩せなきゃとは思う。



このニキビも一体、いつになったら治るんだろう。


を食べ終え、テレビやYouTubeをみて過ごしているうちに、なにか食べたくて仕方がなくなる。



今日はデザートを食べてないんだから、少しくらいいいよね。



スナック菓子は食べ出したら止まらなくなるので、冷凍庫からピザを出してオーブントースターへ入れた。



「尚也もピザ食べる?」



一応、聞いてあげるのが優しさだろう。



「いらねぇよ」



ムッとした尚也の不機嫌な返事が聞こえた。



チーズがとろけた熱々のピザを頬張っていたら、蔑むような尚也の冷たい視線を感じた。



「弁当食ったあとで、よく入るよな、そんなもん」



「スイーツよりはカロリー低いでしょ。おやつの代わりよ」



「おやつの代りだって? 一日に何回おやつ食ってるんだよ。だからそんなブタみたいな女になってしまうんだよ!」



ブ、、ブタ ‼︎





「ブタみたいで悪かったわね! 尚也こそ一体何にお金を使ってるのよっ。自分一人じゃ、お弁当も買えないんじゃない! 偉そうなこと言わないで欲しいわね」



「コンビニ弁当ぐらいで恩着せがましいんだよ!! 最低だな、おまえ」



……わたしが我慢できないのは他の女に貢いでいるからよ。



「ヒモみたいな男に最低なんて言われる筋合いないわ!!」



売り言葉に買い言葉で感情の収拾がつかなくなり、言ってはならないことを口にしてしまった。



「うるせぇ!! もういいよ、帰る。弁当代は払うよ。5万は月末までには必ず返す」



尚也は財布から五百円玉を出してテーブルに置くと、サッサとアパートを出て行ってしまった。





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