第14章:星の記憶

 「星の記憶……?」


 エリオスは、カイロスの言葉を繰り返した。


 カイロスは静かに頷き、青銀の髪をなびかせながら続けた。


 「星の欠片は、ただの力の源ではない。それは、この世界の記憶を刻んだものだ。お前の持つ欠片は、過去と未来を繋ぐ鍵なのだ」


 「過去と未来を繋ぐ……?」


 「そうだ。星の欠片が生まれたのは、遥か昔、星の王国が滅びるよりも前……。それは、星々がまだ意志を持ち、この世界を導いていた時代に作られたもの」


 カイロスは手をかざし、魔法陣を浮かび上がらせた。風が渦を巻き、幻想的な光が彼の周囲に舞う。


 「……お前はまだ、その欠片に刻まれた記憶を解放していない。もし、その力を完全に引き出せれば、星の王国が滅びた理由、そしてお前の本当の使命を知ることができるはずだ」


 エリオスは胸元の星の欠片を握りしめた。かすかに脈打つその輝きが、まるで自分に語りかけているようだった。


 「どうすれば、その記憶を解放できるんだ?」


 カイロスは厳かに言った。


 「試練を乗り越えなければならない」

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