第28話 恋バナ

side:上田


久楽サイドタウン。

駅の横にある、市民憩いの場を作ることを目的に建設された、いくつかのお店がはいった場所。


小学生のころから、宿題を持ち寄って、雑談してた。


今日も8人で集まって、だらだらしてる。

暇だなぁ。


「ひぃまぁ~! 誰かなんかやって~」


「無茶振りがすごい。」


女子7人集まってすることと言えば…


「よっしゃぁっ! 恋バナしよーぜー!!」


「ウェーイ!」


「絶対にこんなノリでやることじゃないんだよ。」



「…恋バナってどうやってすんの?」


「確かにつむたちやったことないよね~」


「…好きなタイプとか?」


「…シチュエーションとか?」


「勝村、お前から行け!」


「恋バナに命令形存在しないのよ。」


といいつつもボケーっとした顔で考えてる。


「…自分が人と付き合うイメージ全然湧かん。」


「それなぁ~」


「誠実な人であるのは当然としてね。」


「それなぁ~」


「おい、言い出しっぺ。どんな人がぁ、好きなのぉ?」


「無理やりな恋バナ感出すなよ。」


好きなタイプ、思い付かないな。

いい加減だけど、優しいやつかな、面白いやつで。初めては気心が知れたやつがいい。


「内緒で。」


「私だけ話して損しとうね。おら、ぽまえらはなせよ。」


勝村は普段標準語っぽいけど、ここだと方言が出る。ぽまえらはわからん。


「ギャンブルしない。浮気しない。酒飲まない。」


リーダーがいう。リーダーは委員長だからついたあだ名だ。リーダー感は0。


「私はギャンブルも浮気もしちゃうかもな。」


「えー、勝村最悪じゃん。」


「いや、私は当てるから。」


「いちばんくずいな。」


「酒は?」


「弱いらしい。」


勝村は浮気もギャンブルも酒もしなさそうだ。一途で堅実。たぶんやるというのは冗談。


道を歩くときも歩道側にともを歩かせ、道路側を歩くようなやつだ。初めてはこいつがいいな。

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