連れて…
しき
第1話
娘が海で溺れて死んでしまった。娘が海に流されてのみ込まれていくところを母である私は恐怖でただ見ていることしか出来なかった。
周りはそんな私を口では「気にするな」「早く忘れろ」と庇ったがその本心は分からず、少なくとも私は娘を海に連れて行った自分を。娘を見捨てた自分を責め続けた。
そんなどうにもならない気持ちを抱えて私は夜に夫にバレないようにで娘の遺体が見つかった海岸に来た。
誰もいない静かな波の音だけが聞こえる。居ても立ってもいられずにここまで来てしまったが、それで何かが変わることも心が落ち着くことも当然だが無かった。もう帰ろうかと思った時…
「一緒に手を繋いで帰る約束、憶えている?」
ありもしない娘の声が聞こえた気がして海の方を見ると黒く長い腕が私の方に伸びてきていた…
◇
「〇〇の奥さん。今朝、海で遺体で見つかったそうよ。自殺かしら?」
「そうかもな最近、様子がおかしかったからな。自分が子供を産めない体であることを知って病んでからおかしくなっていたもんな。存在しないはずの娘がいるとか、死んだとか」
「そうね。でも前にもあの海で女の人が亡くならかったけ?何か不気味だわあの海」
「あぁ、あの海か。あそこは昔、水子供養の儀式に使われていた海だからな。もしかしたら呼ばれてしまったのかもしれねぇなぁ。なる程な
連れて… しき @7TUYA
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