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私はそれよりも童話のアニメーションをよく観ていた気がする。


「あっ、お姫様に憧れてたかもしれない」

「姫?ドレスや宝石なんかが好きだったのか?」

「ううん。キラキラしたものも嫌いじゃないんだけどね」


シンデレラや白雪姫のように。

苦しい状況でも、苦境に立たされたとしても、最後に彼女達は王子様と結ばれる。

最初はみすぼらしい娘も、最後には幸せになれる。


「王子様が迎えに来てくれるってことに憧れてたんだと思う」


今は違うんだよ?

さすがに、自分はお姫様って柄じゃないし。

白馬に乗った王子様なんて現代社会には存在しないのは、ちゃんと分かってる。


「王子?」


昔はちょっと本気で王子様が来るんじゃないかって信じてた時期もあったけど、随分前にその幻想は捨て去った。


王子様はいない。存在しない。



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