3、誤解が解けない……

12

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「ちょっと一瞬、栞貸してね。そんなに時間かからないから安心して」

「わたしらの用事済んだら、すぐに関君に栞返すからさ。そしたら好きなだけ独占していいから」

「関君は、栞の昔の王子様に勝ったんだからどーんと胸張って待ってて!うひひっ」


やっと訪れたお昼休み。

いつも通り仲良しの四人でお弁当を食べようと思っていた私。

なのに、みんなが関君とそんな交渉をしていた。


関君に返さないでいいのに。


むしろ午前中ずっとガン見されていたおかげですっかり疲れちゃったから、関君と一緒にいるのは遠慮したいくらいなのに!


私が全力で首を横に振っていても、なんだが微笑ましいものをみるような顔をしている友達が憎い……。

別に照れているとか、そういうわけじゃないのに!



「ほらほら、栞。ちょっとこっち来て」


半ば強引に連れ出された私は、人目を避ける素振りを見せる友達に空き教室に連れ込まれる。


「もう、一体何なの!ていうか、関君なんて放っておいていいから、みんなでご飯食べようよ」


私の主張を聞いても、友達三人はニヤニヤしたまんま。

本当に照れ隠しじゃないんだってば!



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