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「一体誰に呪いをかけるつもりだったんだ。恐ろしい本を眺めながら笑っていたのは、誰かを呪う算段をつけていたからだろう?」
「ちょ、ちょちょっと待って!誤解、すごい誤解!」
関君、さっきから『のろい』って言ってるけど、お呪いって書いて『おまじない』って読むんだよ。
確かにどっちも『呪』って漢字を使うけどさ。
呪いなんて私、知らないのに!パッと思いつくのなんて藁人形くらいだよ。
呪いとおまじないだと随分ニュアンスが変わってくる。
それに、私が誰かを呪おうとしていただなんて、一体どこからそんな勘違いが……。
「まあ、そう簡単に白状したりはしないか……。だが、俺は見逃したりしないぞ。クラスメイトの暴走を止めるのが同じクラスの仲間として正しいことだからな」
「お願いだから待ってー!訂正するチャンスをちょうだい」
「まだ誰にも呪術を施してないようだから、今日君の正体に気が付けたことは僥倖だったな」
お願いだから、ストップしてー。
暴走してるのは間違いなく関君の方だから!
それに、呪いから呪術にランクアップしちゃってるよ。
私そんな訳分かんない術使えないのに。
「昼間の衝突は偶然だったが、あれがきっかけで君の正体を考察できた」
「あの時の本は……」
ただのおまじないの本なの。
ちょっと物騒な内容が書かれているだけなの。
あっ!あっちの本はおまじないって漢字で表記されてた!
だから関君は、お呪い(おまじない)を呪い(のろい)だと勘違いしたのか。
納得……って!そうじゃない。
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