第1話 特殊能力

最初は戸惑った。

人間だったオレがなんで「コインロッカー」になっているのか。

変な夢を見ている、ブラック企業勤めで頭がおかしくなったとか、そういうオチかと思っていたのだが、一向に目の前の状況が変わらないので、次第に「オレは本当にコインロッカーに転生したのか…」と思い込むようになった。


それからしばらくして、あることに気づく。

「このコインロッカー、特殊な能力が備わっている!」

それは、預けられた荷物の「記憶」を読むことが出来る。

例えば、旅行者のスーツケースなら、旅行者の目的地や旅行先での思い出。

怪しい荷物なら、犯罪の証拠や秘密の取引。

恋人のプレゼントなら、愛や後悔。


コインロッカーであるオレは人間の秘密をすべて知る存在になっていた。

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