第28話
帰ろうとした寧々をスタッフが呼び止めた。監督が話があると言うのである。
「君は矢野寧々で活動をやっているがそれでは矢野一色の娘である事を公表して歩いているようなものだ。ロクな仕事が来ない。君は芸名で活動するべきだ。どうだろう?僕に芸名を考えさせてくれないか?」
寧々は戸惑っている。
「伊能まどかというのはどうだろう?
まあ事務所とも相談したまえ」
澤山が行った後、演出家が駆け寄って来た。
「澤山監督が芸名を下さるなんて滅多にない事だよ。君を役者として認めたという証だ。是非受けた方がいい。
これは矢野寧々のいい宣伝になるぞ」
「事務所とも相談しましてお返事させて頂きます」
「澤山監督から芸名を頂いただって?
これは大変な事だぞ、寧々。お前は気に入られたんだよ。澤山監督に。それでなんて名前なんだ」
「伊能まどかです」
「いい名前じゃないか。よし、お前は今日から伊能まどかだ」
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