KAC20254歴史編

クライングフリーマン

-------【書き出し指定・KAC20254歴史編】--------

「あの夢を見たのは、これで9回目だった。」


 野球は昔、21点先取制ルールだった!?

 野球は9回終了時点で得点が上回っていたチームの勝ち。

 野球を知っている人には当たり前のルールです。

 しかし、実は野球が誕生した当初は、現代のように回数制ではなく「21点先取した方が勝ち」というルールでした。

 頻繁に点数の入るスポーツではないので、21点先取のルールは選手にとってかなり辛そうなルールです。

 また、21点先取以外にも、現代のルールとは異なる部分が存在しています。

 例えば、昔は「フォアボール」がなかったため、ストライク以外はカウントされず、試合がかなり長引いたこともあったそうです。

 21点先取、フォアボールが無い、これが影響して、1日をかけても決着がつかないこともありました。

 そして、このルールでは困ると声をあげたのは、野球選手ではなく、なんと料理人だったのでした。昔は試合の後に親睦会があったそうです。

 なぜ料理人が出てきたのかというと、試合後に相手チームを食事に招いて、親睦を深め合うのが習慣になっていたからで、チームにはお抱えの料理人がいたそうです。

 料理人は懇親会に向けて料理を作らなければなりませんが、21点先取ルールではいつ試合が終わるかわからないため、料理をどのタイミングで作り出せばいいのか困り果てていました。

「あの夢を見たのは、これで9回目だった。」と、嘆いたシェフがいたかどうかはわかりません。しかし、試合終了を心待ちしていたのは事実です。

 思った以上に試合が長引いてしまえば、せっかく作った料理が冷めてしまいます。

 逆に、いきなり大量得点して試合が終わったとしても、とっさに大量の料理を作ることは不可能です。

 この状態では美味しい料理を振舞うことができないと、とうとう料理人がクレームを入れたのでした。

 試合が時間制や、回数制であれば、ある程度試合が進めば終了時間を予測でき、そこから逆算して料理を作り始められます。

 このように、現代の回数制ルールは、実は野球選手からではなく、料理人の都合から考案されたものでした。

 なぜ9回で終わりとなったのか?一説によると、「料理人が我慢できなかったから」9回にしたというものです。

 料理人が「あまりにも試合が長い!」と声を上げた(我慢の限界だった)のが、たまたま9回だったという説です。「アメリカは12進法が主流だったから」という説もありますが。

 一つの区切りとして「9」を目安にするのは、野球の人数だけでなく、バレーボールの人数でもあります(6人制バレーボールもあります)。

 バレーボールが野球の影響を受けたかどうかは分かりませんが、古い野球のルールに近かったら、観戦者も「夢見るほど」待ちくたびれたかも知れませんね。

 ―完―



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KAC20254歴史編 クライングフリーマン @dansan01

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