第88話
「だって…」
「ん?」
「だって…湊汰は特別だもん。」
「っ、」
腕の中で俺の胸に顔を埋めたまま、
小さくそう囁いた遥香。
ったく…
ほんと可愛いこと言ってくれるよ。
「遥香、顔見せて。」
「いや…恥ずかしいもん。」
「いいから、顔見せろって。」
「絶対、嫌だ!だって、湊汰…からかうもん。」
「からかわないから、な?」
「ほんとにからかわない?」
「ああ、」
俺の言葉に、ゆっくりと顔を上げる遥香。
そんな遥香の顔は、やはり真っ赤で…
目には心なしか涙が浮かんでいた。
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