第62話

その日の夜…



風呂から上がった俺がリビングへと向かうと、テレビを見ていた遥香。



そんな遥香の横にそっと腰をおろす。




「ねぇ、湊汰。」



「ん?」



「今日はありがとう…」




そう言うと、ギュッと抱きついてきた遥香。そんな遥香を片手で抱きしめると、髪をそっと撫でた。




「愛する奥さんのためですから。」



「……」




何故か、俺の言葉に急に黙りこんだ遥香。




……ん?

どうしたんだ?



「遥香?」



「もぉ、恥ずかしいよ…」




そう言いながら、俺の胸に顔を埋める遥香。




「照れるなよ。」



「だって、恥ずかしいもん…」



「顔赤いな、お前。」



「見ないでっ…」



「いいじゃん。遥香の照れた顔見せて?」



「嫌だもん…」



「見せてよ、遥香?」



「イヤ…」



「ね?遥香お願い。顔、あげてよ…」




耳元でそう囁いた俺に負けたのか、真っ赤な顔を手で覆ったままゆっくりと俺の方へと向ける遥香。

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