第22話 愛憎の果て

 ユウトは波崎海岸で釣りをしながら、熾烈な戦いを回想していた。

 東京国将軍との最終決戦が迫る中、ユウトたちは異次元技術の解析を急いでいた。八千代は、将軍が操る技術の核心に迫りつつあった。

「将軍は、量子テレポーテーションを応用し、異次元からエネルギーを取り出しているようです」

八千代が告げると、ユウトは眉をひそめた。

「異次元からエネルギーを…!そんなことが可能なのか…!」

「はい。しかし、そのエネルギーは非常に不安定で、制御を誤れば、世界を滅ぼすほどの力を持っています」

 アスカが警告した。

 その時、東京国将軍からの通信が入った。

「ユウト、貴様たちもここまでだ。もはや、私を止めることはできない」

 将軍は、不気味な笑い声を響かせた。

「貴様の野望は、ここで終わらせる!」

 ユウトは、刀を手に取り、将軍の元へと向かった。

 将軍の居城は、異次元技術によって要塞化されており、無数の兵器がユウトたちを迎え撃った。ユウトたちは、それぞれの力を合わせ、兵器を破壊しながら、将軍の元へと進んでいった。

ついに、ユウトは将軍と対峙した。将軍は、黒い覆面で顔を隠し、異様な雰囲気を放っていた。

「ユウト、貴様とは、いずれ決着をつけなければならなかった」

 将軍は、冷たい声で言った。

「貴様…!一体、何者だ…!」

 ユウトが叫ぶと、将軍は覆面を外した。現れたのは、ユウトの婚約者だった女、リンだった。

「リン…!なぜ、貴様が…!」

 ユウトは、信じられない思いでリンを見つめた。

「ユウト、私は、この世界を支配するために、前将軍と政略結婚した。そして、彼を殺し、私が将軍となった」

 リンは、冷酷な表情で答えた。

「貴様…!そんなことを…!」

 ユウトは、激しい怒りに震えた。

「ユウト、私は、貴様を愛していた。しかし、貴様は、私を裏切った。だから、私は、貴様を憎むようになった」

 リンは、憎しみに満ちた目で、ユウトを睨みつけた。

「リン…、俺は…」

 ユウトは、言葉を失った。

「ユウト、今日こそ、貴様との決着をつける」

 リンは、異次元技術を駆使し、ユウトに攻撃を仕掛けた。

 ユウトは、刀を手に、リンと激しい戦いを繰り広げた。リンは、異次元技術によって強化されており、その力は、ユウトをはるかに凌駕していた。

しかし、ユウトは、リンへの愛憎を胸に、必死に戦った。そして、ついに、リンの隙を突き、刀を突き刺した。

「ユウト…、愛しているわ…」

 リンは、そう呟き、光となって消えていった。

「リン…!」

 ユウトは、崩れ落ちるように膝をついた。

「ユウト、終わったのね…」

 アスカが、ユウトに近づき、声をかけた。

「ああ…、終わった…」

 ユウトは、力なく答えた。

「ユウト、リンは…」

 八千代が、ユウトに尋ねた。

「リンは、俺の婚約者だった。政略結婚で、前将軍と結婚し、彼を殺して将軍になった」

 ユウトは、リンの過去を語った。

「そうだったのね…」

 八千代は、悲しそうな表情を浮かべた。

「ユウト、私たちは、リンの分まで、この世界を守っていきましょう」

 秀吉が、ユウトを励ました。

「ああ、そうだな…」

 ユウトは、立ち上がり、仲間たちと共に、新たな未来へと歩み始めた。

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