第16話 落雷

 木更津での激戦を終え、ユウトたちは房総の鬼が残した異次元技術の残骸を調べていた。その技術は、現代科学では考えられないほど高度なものであり、ユウトたちはその解析に苦心していた。

「この技術…、一体どこから来たのだろうか…」

 ユウトが呟くと、八千代が答えた。

「恐らく、房総の鬼は、異次元の扉を開き、そこからこの技術を持ち込んだのでしょう」

「異次元の扉…!そんなものが、本当に存在するのか…!」

 アスカが驚きの声を上げた。

「可能性は否定できません。私たちの世界には、まだ解明されていない謎が数多く存在します」

 秀吉が、扇子で口元を隠しながら言った。

 その時、空が急に暗くなり、雷鳴が轟いた。

「雷…!こんな時に…!」

 ユウトが空を見上げると、稲妻がいくつも走り、激しい雨が降り始めた。

「皆さん、早く建物の中に避難しましょう!」

 アスカが叫び、一行は、近くの廃墟となった工場に駆け込んだ。

 工場の中は、雨風をしのぐことができたが、雷鳴が轟くたびに、建物全体が揺れ、不安な雰囲気が漂っていた。

「この雷…、ただの雷ではないような気がする…」

 義宣が、真剣な表情で呟いた。

「どういう意味ですか?」

 ユウトが尋ねると、義宣は答えた。

「雷のエネルギーが、尋常ではない。まるで、何者かが意図的に雷を操っているかのようだ」

 その時、工場の外に、巨大な影が現れた。

「あれは…!」

 ユウトが目を凝らすと、影の中から、雷を纏った巨大な人型兵器が現れた。

「あれは…!房総の鬼が残した技術を、誰かが悪用している…!」

 八千代が叫んだ。

 人型兵器は、雷を操り、工場に攻撃を仕掛け始めた。雷撃が工場を破壊し、ユウトたちは、再び外に飛び出した。

「くっ…!何て力だ…!」

 ユウトは、刀を手に、人型兵器に立ち向かった。

しかし、雷を纏った人型兵器は、あまりにも強力で、ユウトたちは、徐々に追い詰められていく。

その時、ユウトの脳裏に、ある人物の姿が浮かんだ。

「イバラキング…!」

 ユウトは、人型兵器を操っているのが、イバラキングだと確信した。

「イバラキング…!貴様、一体何を企んでいる…!」

 ユウトが叫ぶと、人型兵器の中から、声が聞こえてきた。

「ユウト、久しぶりだな」

 声の主は、やはりイバラキングだった。

「貴様、房総の鬼の技術を悪用しているのか…!」

 ユウトが叫ぶと、イバラキングは答えた。

「ふん、私は、ただ、自分の目的のために、力を利用しているだけだ」

「貴様の目的とは、一体何だ…!」

 ユウトが尋ねると、イバラキングは答えた。

「それは、貴様には関係ない」

 イバラキングは、そう言うと、人型兵器を操縦し、ユウトたちに攻撃を仕掛けた。

 ユウトたちは、イバラキングの攻撃をかわしながら、反撃の機会を伺った。

 その時、八千代が、何かを思いついたように言った。

「ユウト、水戸納豆の力を使いましょう!」

「水戸納豆…!しかし、どうやって…!」

 ユウトが尋ねると、八千代は答えた。

「水戸納豆の納豆菌は、エネルギーを増幅させる力を持っています。その力を利用すれば、雷のエネルギーを吸収し、イバラキングに反撃できるはずです!」

 ユウトは、八千代の言葉を信じ、水戸納豆の包みを取り出した。

「義宣、水戸納豆を食べて、力を貸してくれ!」

ユウトが叫ぶと、義宣は、大量の水戸納豆を、豪快に口に運んだ。

「うむ!任せろ!」

 義宣の体から、光が溢れ出し、雷のエネルギーを吸収し始めた。

「義宣、吸収したエネルギーを、俺に集中させてくれ!」

 ユウトが叫ぶと、義宣は、吸収したエネルギーを、ユウトに集中させた。

 ユウトの体は、雷のエネルギーで満たされ、刀に雷の力が宿った。

「イバラキング…!貴様の野望は、ここまでだ!」

 ユウトは、雷の力を纏った刀を手に、イバラキングに斬りかかった。

 ユウトの刀が、人型兵器を切り裂くと、人型兵器は、爆発し、イバラキングは、地面に叩きつけられた。

「くっ…!こんな…!こんなはずでは…!」

 イバラキングは、悔しそうに叫んだ。

「貴様の野望は、ここまでだ」

 ユウトは、刀を構え、イバラキングに斬りかかった。

 ユウトの刀が、イバラキングの体を切り裂くと、イバラキングは、光を放ち、消滅した。

「やった…!勝ったぞ…!」

 ユウトは、喜びを爆発させた。

「ユウト、ありがとう。貴様のおかげで、私は、救われた」

 イバラキングの消滅後、空から声が聞こえてきた。

 声の主は、かつてユウトたちが倒した、房総の鬼だった。

「房総の鬼…!貴様、まだ生きていたのか…!」

 ユウトが叫ぶと、房総の鬼は答えた。

「ああ、私は、イバラキングに利用されていたのだ。貴様たちのおかげで、私は、自由になれた」

「貴様が…!我々に感謝するだと…!」

 ユウトは、信じられない思いで、房総の鬼を見つめた。

「ふん、信じるか信じないかは、貴様の自由だ。だが、私は、貴様たちに、恩返しをしたい」

 房総の鬼は、そう言うと、ユウトたちに、異次元技術の情報を与えた。

「この情報が、貴様たちの役に立つことを願う」

房総の鬼は、そう言うと、姿を消した。

「房総の鬼…」

 ユウトは、その背中を見つめながら、呟いた。

「しかし、今回の戦いで、異次元の脅威が、どれほど危険であるかがわかりました」

 秀吉が言った。

「私たちは、これからも、様々な困難に立ち向かい、人間と自然が、共存できる世界を目指して、旅を続けなければなりません」

 八千代が言った。

「はい。私たちは、これからも、共に、力を合わせて、この世界を守っていきましょう」

 ユウトは、仲間たちを見渡し、力強く言った。


主要キャラクタープロフィール

* ユウト:正義感が強く、仲間思いの青年。刀の腕前は一流で、どんな敵にも立ち向かう勇気を持つ。

* 義宣:豪快で頼りになる武将。水戸納豆をこよなく愛し、その力を最大限に引き出すことができる。

* アスカ:明るく元気な少女。最新の科学技術に詳しく、メカニックの腕も一流。

* 秀吉:冷静沈着な軍師。豊富な知識と知恵で、仲間たちを導く。

* 八千代:自然を愛する巫女。古代の知識と魔法を操り、仲間たちをサポートする。


各国の将軍プロフィール

* 斎藤道三:埼玉国の将軍。武力に優れ、冷酷な性格。

* 房総の鬼:千葉県の伝説に登場する存在。異次元の技術を持ち、強大な力を持つ。

* イバラキング:茨城県の宿敵。ダッペロボと一体化し、雷を操る力を得た。


 今後の展開

 ユウトたちは、房総の鬼から得た異次元技術の情報を元に、新たな敵との戦いに挑む。そして、その戦いの中で、水戸納豆のさらなる秘密や、異次元の謎が明らかになっていく。

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