本当に怖いのは・・・。
「遂に手に入れたぞ・・・呪いのビデオ。」
このビデオを見ると、1週間後に死んでしまうという曰く付き。
「あのさ・・・本当に良いのか?
それをダビングして観てしまうとお前は・・・。」
「気にするな・・・それでお前が助かるのならそれだけで俺は嬉しいよ。」
「ありがとう・・・そして、ごめん。」
そう頭を下げるのは運悪くこのビデオを手に入れ観てしまった俺の親友。
「さて、あと一週間死ぬまでに出来ることは全部やっておかないとな。」
俺は来るべき彼女との対峙準備を進める。
あれから一週間。
遂にこの時が来た。
テレビから耳障りな甲高い音が鳴る。
そして、画面の中央に古びた井戸。
生唾を飲み込む。
遂に俺は・・・でも、大丈夫。
この日のために準備を進めてきたのだ。
古びた井戸から女が這い出てくる。
そして、少しずつ彼女が近づいてくる。
息が上がる。
心臓が痛いほどリズムを刻む。
テレビから這い出てくる黒髪の女性。
その手は青白く爪は全部剥がれ痛々しい。
白いワンピースを着た彼女は禍々しいオーラを纏って俺に近づいてくる。
俺は覚悟を決める。
俺は彼女・・・貞子を睨みつける。
漆黒のロングヘアーから目が覗く。
憎しみで濁ったその目で俺を呪殺にかかる。
「この時を待っていた!」
次の瞬間、結界が貞子を包む。
「あぁ・・・なんて・・・なんて美しいのだろう。」
結界の中の貞子は戸惑っていた。
この人間が何を言っているのかわからない。
「君に会うためにどれだけ時間をかけたことか・・・。
莫大な金を使ってあらゆるルートから情報を集めてやっと君に会えた♡」
恍惚な表情を浮かべて貞子を見る男。
「君に見せたいものがあるんだ。」
興奮したようにクローゼットを開けるとそこには・・・・。
「君の身体だよ・・・貞子♡」
そう言って男は愛おしそうに貞子の遺体を愛でる。
「君の身体を手に入れるの苦労したんだよ。
警察署の奥深くに封印されていたものを手に入れるために警察に潜り込んだりで・・・大変だったよ。」
貞子は怨霊となって初めて恐怖した。
その目は狂気に染まりそれが自分に向けられている。
「君が居た井戸に潜り込んでね・・・君の爪の一枚一枚を回収して・・・髪の毛一本残さずに回収するのは本当に大変だったよ。」
男が手を伸ばしてくる。
「あぁ・・・やっと君を・・・。」
結界が一時的に弱まる。
その一瞬の隙に呪いをかける。
「うっ!?」
男は苦しむ。
このまま、この男を・・・!
「はぁ・・・はぁ・・・君の呪い・・・最高だよ♡
ほら、もっと・・・俺を殺すつもりで君の呪いを・・・!」
次の瞬間、男は事切れた。
「・・・。」
今まで多くの人間を呪い殺してきたがここまで気持ち悪い人間はいなかった。
しかし、もうこれでこの男は・・・。
「ははは・・・やっと、君の領域に来れたよ♡」
死んだはずの男の声がする。
男の死体は転がっている。
では、この男は・・・?
「君と同じ怨霊だよ、貞子♡
君への愛が強すぎて俺は怨霊になってしまったよ♡」
男は近付いてくる。
逃げようとテレビへ向かおうとするがテレビが炎に包まれる。
「逃がさないさ・・・どれだけこの時を待ち望んでいたか・・・。」
男の手が貞子の頬に触れる。
「これから君を永遠に呪ってあげるね・・・貞子♡」
この日から、呪いのビデオの話は聞かなくなり貞子の存在も忘れ去られるのだった。
・・・ある男の中以外では。
短編集 わっしー @kemkem9981
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。短編集の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます