第6話 配信停止!?

 『梅の里』の配信はヒット数も上がりチャンネル登録者数は千人に近づいていた。レギラーの放送が終わり、放送部で片付けをしていると。


 教頭先生が入ってくる。


 むむむ、嫌な予感がする。


「真司君、小会議室まで来てくれるかな」


 教頭先生が難しい顔をして話し始める。そして、場所を小会議室に移動すると。


「君を呼んだのは他でもない。ヤ―チューブによる配信の件だ」

「はい……」


 俺は力なく返事を返す。マジでヤバい雰囲気だ。


「話しは簡単、ヤ―チューブで配信すればお金が発生する。高校の部活で要らぬお金が発生するのを問題視しているのだよ」


 何時も優しい教頭先生が厳しい口調になる。


 確かにそうだ、チャンネル登録者数が千人に近づきVヤーチュウバーとしては大成功だ。


 しかし、お金の問題はかなりデリケートなモノだ。


「本来であれば即、配信中止となるのだが、校長先生がどうしても言いたい事があるらしい。しばし、待たれよ」


 あああ、何を言われるのかな……厳しい事を言われるのか……。


 俺は絶望の気分でいた。


 数分後、校長先生が入ってきて椅子に座ると。


「私も『梅の里』のファンでね、君たちの放送、楽しみにしている。しかし、部活としてのヤ―チューブの配信は停止していただく」


 きっぱり言われた!!!


 終わりだ、これが現実か……。


 俺はうつむき、これが挫折かと闇に落ちた気持ちだ。


「そこで提案だ、放送室の壊れた機材を直して、校内放送として再建してくれないか?」


 放送室の機材を直す!!!


———……。


 二週間の休止後。


『流星ヶ丘高校の皆さん!!!帰って来ました『梅の里』です。』


 麗子の弾んだ声が校内に響く。これで放送部は完全に再建されたなと思うのであった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

復活!JK幽霊の力を借りまして放送部を立て直す件。 霜花 桔梗 @myosotis2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ