僕らは異世界でも騒がしい

櫻井 志

第一章

第1話 異世界転移

「またねー」

「ばいばーい」

 “学校の帰り道、けん、まき、羽奏わかな竜也たつや、よしはそれぞれ別れ、家に帰る。それぞれ戻って、飯食って、風呂入って、なんやかんやして、気づいたらそこは、異世界だった!”

「ってごら、何適当なナレーションしよるんじゃ、竜也。今は、そんなんやってる場合じゃねぇだろ!」

「まぁまぁ、そんなにカッカしないの、カナ。ちょっと『はぁ?』ってなるぐらいで、そこまで怒ることじゃないんだから。」

竜也に怒る羽奏をまきが和ませる。

「やっぱオレの味方いなくね?」

「いったん内容を整理しよ。それからでいいじゃん、そんなこと。」

「そうっスね、そんなこと。」

「そんなことって、ひどくない?」

よしがこれまでのことをまとめる。

「とりあえず、ここは俺たちのいた世界とはまた違う、羽奏さんの好きないわゆる異世界で、、、、」

賢が話に乗り込む。

「で、神様がこの世界のバグ、ウラ魔王を倒すために俺らをここに召喚したってわけだ。」

まきが手を挙げ、不安そうにみんなに聞く、

「あのさ、結局ここはどこなん?いかにも初めのモンスターとか出てきそうなとこなんだけど、」

「それな。神様はもう少しうちらをいい感じのところに送ろうと思わなかったのかなぁ」

羽奏が不満げに空を見上げる。それに合わせて上を見た賢が生い茂った木々の間にある塔を見つけた。

「とりあえず、あの塔の街まで行ってみよ!多分ギルドとかあんじゃねぇか?」

全員で顔を合わせ、頷き合い、塔のある街を目指した。


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