六昼夜
夢を見た。
いない彼女を求めて街へ繰り出す。目的地は例の城じみた建物。今日もここだという予感があり、足早に廊下を駆けて行く。そして、前回と同じく突き当りの扉を開いた。
予想通り、摩耶は男と抱き合っていた。ただ、前回と大きく異なるのは、男たちであるところ。
幾人もの名も知れぬ男たちが入れ替わり立ち代わり、摩耶の後ろと前にたむろし、欲望を満たしていく。まるで、物みたいな扱いをされる俺の恋人は、しかし、ただただ笑顔で貪るようにして、積極的に男たちと絡んで行こうとする。
なぜ? なぜなんだ? 答えも出ないまま、終わらない宴を見守り続け……
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ここのところ彼女との身体的接触が極端に減った。夜の営みは度々断られ、挙句の果てに、
「太星君は私の体だけが目的で付き合ってるのかな」
と釘を刺されては、黙るしかなかった。それ以外にも、口付けや手を握り合う機会すら減り、こころなしか会話にも不協和音が目立ち始めていた。
例の夢を見るようになってからろくなことがない。早く摩耶と仲直りしなくては。
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