第24話 許さない
夜通し映画や、ドラマの再放送を見たりして、気がついたら眠っていた。
一度目を覚ましたら、ソファの上に横になっていて、タオルケットがかけてあった。
すぐそばにショータがいたから、もう一度目を閉じた。
部屋の中に陽がさして、明るくなった頃、起きると、ショータがソファに座ったまま寝ていた。
「ありがとう」
その頬に、そっとキスをした。
ショータはどこにも出かけなかったから、2人で遅い昼ごはんを作って食べた。
漫画の話になって、ママの仕事部屋の方にある大量の漫画を見せると、ショータは驚いていた。
遠田総の漫画が好きだと聞いて、「僕たちは嘘をついていた」が頭に浮かんだ。両親の再婚で義姉弟になった2人が恋をする話。
でも、ショータが言っていたのは、先生と生徒の恋の話だった。最後、お互い好きなのに別々の道を選ぶ、切ない結末の話。
夜はピザを頼んだ。
ドアフォンが鳴った時に、ビクッとしたけれど、ショータがいてくれると思ったらすぐに何でもなくなった。
ピザを食べている途中に、あの男が母親に連れられて出頭してきたと連絡があった。
ママ宛に出したと言っていた男の手紙は、宛先不明で返って来ていたのを、男の母親が持っていたらしい。
彼は、高校3年生で、ショータと同じ年だった。
警察で、「受験でむしゃくしゃしていた」と供述したみたいだったけれど、そんなの関係ない。そんな理由で犯罪を犯すなら、世の中は犯罪者だらけになる。
彼がどうなるのかわからないけれど、もう関わりたくないし、相応の罰を受けるべきだと思った。
そのことをショータに言うと
「俺は紗羅を傷つけたこと、一生許さない」
そう言ってくれた。
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