面（ツラ）

高校生になって、マスク生活が定着した私は、アルバイトを探した。なるべく人と関わらない仕事をさがしていた。色々と探している中で、最終的には飲食店のキッチンのアルバイトに就くことができた。キッチンであれば、そもそもマスクをして仕事をするから肌荒れを隠したい私からしたら一石二鳥だと思ったからだ。

アルバイトで働いて稼いだお金を使って、化粧品を買い漁った。１本１万円以上はする化粧水と美容液。保湿クリームも買った。有名芸能人・モデル・女優さんなどが愛用していると言われているサプリメントだって惜しみなく買った。携帯で美容にいいと言われていることは片っ端から試した。

毎日水を２Ｌ飲むこと・半身浴・お肌のゴールデンタイムには就寝していること・ストレッチ・適度な運動。なんでもやった。それでも肌は良くならなかった。治ってはまた出来てを繰り返していた。

最後の手段に美容医療も考えた。でも私は未成年だから、親の同意なしで美容医療をうけることが出来ない。どんなに必死に両親に肌なやみを話しても取り合ってくれない。「思春期だから仕方がない。」と言われて終わる。成人したら美容医療をはじめよう。借金をしても構わない。この地獄から抜け出すにはこれしかない。同年代の肌荒れをしていない子が羨ましい。たかが１つニキビが出来たぐらいで、「死にたい（笑）」とか言ってるやつが憎い。写真を撮られるのが怖い。ああ。早くキレイになりたい。でも、もう疲れた。焼かれて死にたい。私の顔の判別が出来なくなるくらい。跡形もなく・・・。