第4話 コケティッシュな月曜日

格子戸の外から店員さんに案内されながらこちらに向かってくる足音が聞こえた。約束の時間が19時30分に対し、その時は19時28分だった。先輩だなと確信した。大学の講義はよく遅刻していたが、遊びの約束は時間厳守するタイプだった。すると格子戸がスライドし、私が就職して5年になるがその先輩はその2年前に卒業しているので7年ぶりの再会となるのだが以前と変わらない先輩が立っていた。青いチェックの半袖シャツを濃紺のスキニーパンツ姿だった。かく言う私も先輩に「カノンひさしぶりやなあ、全然変わってないなあ。」と先に言われてしまった。その後お互いの近況を確認しあった。先輩は卒業後すぐに結婚し5歳になる女の子がいた。仕事は家電メーカーでデジタル一眼レフカメラの生産管理されておりその中のサブ組みという、完成品の前段階のユニット部品を組み立てる為の部品の発注担当だった。札幌には交換レンズを製造する事業所があり、そちらの生産管理担当に欠員が出たので偶然抜擢されたとのことだった。その話をしている途中で店員さんがオーダーを取りに来たというか説明に来た。

 最初に飲み放題の説明があった。入口に大きく表示されたのは2時間980円だったが、よくよく聞くと980円のコースは生ビールが含まれなく、生ビールが含まれるプランだと1280円とのことだった。店員さんは、専門学生風男子で綺麗な顔立ちをしていて『韓流アイドル』という印象に残るルックスだった。

何となく(あなた方はわかってますね、ここは居酒屋ですよ、生ビールはもちろん飲むでしょうね。)的になプレッシャーを感じたが心の中で(セコ!それだったら入口にも大きく書いとけ。)と思ったと同時に先輩の方と見るや否や

「980円のでええよ。」と食い気味で返した。(先輩、メンタル強いとこ変わってない!)それ以降の料理を含むオーダーに関してはタッチパネルの端末を使ってくださいとのことだった。その説明の仕方を聞いてると特にこの専門学生風男子はそこまでメッセージ性はなく淡々と職務をこなしてただけだと分かった。(優しい話方をされ方だったので完全に私が外見で判断し誤解していたなとおもったら少しハズかしかった。)店員さんが出て行った後、先輩が

「何となく相手の思惑にはまるのが嫌やってん。生ビールなしでよかった?」と聞いてきたので「先輩、もちろんですよ。最近ハイボールにハマってるんで全然問題ないですよ。」と即答したら「俺は飲みたかってんけど何となく負けた感じになるのが

嫌で980円にしてもうたわ。」とリターンエースを決められた。とは言え色々と聞きたいことがあったので早速作ってきたネームを渡した。先輩はネームを読みながら


「すごいやん。」「なるほど、こう描くんや。」「そうそう面白い。」と感想を述べていたのでここから疑応答タイムが始まった。


「先輩、今回はネームなんで何とか16ページに収めましたけど、もう少しはしょれませんか?セリフが多くて本チャンでは収まんないですよ。」「えっ、俺ページ数が足らないからエピソードもっと必要やと思ってたわ。」「先輩、ファイターズの新庄監督のくだり多分伝わらないのでカットできませんか?」「そうかあ、新庄監督人気もあって俺も好きなんやけど、メジャーで流行った投手起用で、、、なんやったっけ。」「オープナーですか?」「そうそう、それ。自分なりに解釈してアレンジしてんねんけど、結局ローテーションの谷間みたいな起用してんねん。」「先輩、このマンガ少女向けですよね。わかんないですよ。そもそもなんでマンガに応募しようと思ったんですか?」「多分そう聞いてくると思って用意して来てん。」先輩はショルダー型で濃紺のビジネスバッグからB5の資料を僕に渡し、

「応募する時にマンガの紹介とか必要やろ、一応書いてみてん。」

渡されたのは、、、


作品紹介

原作者の目的

①昨今の子供向けアニメではバトルや格闘等の描写が多く、すごく気になっていたがプリキュア等の女の子向けにも格闘の要素が表現されているのが残念に感じていました。男の子向けに関しては昔からあるものだし、仕方がないとして女の子向けにはもう少しマイルドでも良いのではないかという思いが制作理由の1つです。当作品は

極力暴力のシーンは排除し、生活でのディテールを表現することにより子供たちに物事は理由や存在価値があることの知るきっかけになってほしいとの思いで制作しました。


作品の柔軟性


①女の子向けに向けの雑誌の場合は楓ちゃんを主役に、男の子向けの場合はユウトを用いることにより、どちらも対応可能。


②作品の構成上食品メーカーや飲料メーカーとのタイアップがやりやすい。


③今回はあえて登場させていなのですが、現在各地方自治体や公共団体が作成したゆるキャラを登場させることにより、現在下火であるゆるキャラの再利用や再ブレークするきっかけになれば。但し許可等で使用しにくい場合はオリジナルキャラを使用する柔軟性は保持しています。


④今回は札幌を舞台にしたストーリーですが道内はもちろん希望があれば全国各地を舞台に展開することも可能。


「先輩、結構下から来てますね。そもそも女の子向けなんですか?」


「そうやねん、うち女の子おんねんけど一緒にアニメ観たりするやろ。その時にバトル物が多くて何か女の子向けでもっと他にあるんちゃうんかなと思ってん。昔の作品で『ひみつのアッコちゃん』とか『ときめきトゥナイト』みたいなメルヘンなアニメが今はあんまりなくて、それやったらどんな話がいいかなあと考えてたら妖精ものがいいなあと思ってできたのが最初にLINEで送った『ひやむぎくん』やねん。」


「先輩、私は『ひやむぎくん』の方が好きですね。3人の中でキイチっているネーミンが一人だけ古風で面白いし黄レンジャーキャラでしょう。食の神さまなんか妖精の派遣会社経営してるって、神様のくせに悪そうでツッコミどころ満載で良かったんですけどね。」


「確かになあ。最初はひやむぎ、ソウメン、冷やしうどんの3つでやろうと思ってんけど全部白いやん。だから1個だけ黄色い麺がベースの冷やし中華にしてんけど、それやったらそうめんもうすピンクにして女の子キャラにしたらいいかなあと思ったらサクラがイメージで出てきてソメイヨシノから取ってん。」


「先輩、もうアニメ化考えてたんですね。」


「そうや、集談社新人マンガ大賞応募→受賞→連載開始→アニメ化→子供喜ぶみたいなイメージやねんけど、まず受賞できな話になれへんやろ。そう考えたら一話で

マサトくんを含む子供キャラ3人、ひやむぎくんを入れて3人とプラス食の神さま

まであるからキャラの渋滞になるなあって考えてたら煮詰まってんな。」


「先輩、子供2、妖精2くらいで始めたらどうですか?」


「ある程度はイメージできててんけどなあ、オチは女の子キャラのソウメンヨシノが、」と先輩が言い切る前に、「先輩、ソウメンだから細くて切れやすいから、それまではやさしい女の子キャラなのに何かの拍子に体の一部が切れた瞬間にキレキャラに変貌してハリセン振り回すみたいな流れになるんでしょ。」


「カノン、お前いつの間に成長してん。そうそんな感じで考えてたんやけどな、、、」


「だったらいいんじゃないですか。面白いと思いますよ。」


「あかんねん、結局暴力になってしまうやろ。ハリセンはともかくキレたらバイオレンス的な感じになるからなあ。それに冷静に考えてまあ、まず受賞することがプライオリティで一番やけどその後の展開考えると広がりにくいんかなあと思ってんな。」


「先輩とりあえずわかりました。今回は『北海道観光協会レインボーズ』ですか、

それでやるとして、この『ひやむぎくん』は何かに使えるかもしれないんでキープしませんか。もしくは私が引き取ってもいいですよ。」


「それは別にいいよ。カノンが好きにしていいよ。結構ハマってんな。」


「いやあ全てのキャラが気になりますけど特にキイチくんと食の神さまがめちゃめちゃ気になりますよね、だってキイチくんまず名前が微妙に古いし、若干俳優の

中井貴一を思い出すし、そう考えたらお姉ちゃんの中井貴恵さん今なにやってんのかなとか、食の神さま何かひょうきん族の懺悔室の人とか想像してヤバいでしょ。」


「カノンお前何歳やねん。よう知ってるな。一応言っとくけどな、中井貴恵さんは

結婚されてから『大人と子供のための読み聞かせの会』っていう朗読の活動なさってるけどその情報は徹子の部屋でだいぶ前に観たから本当の意味で現在はようわからんけどな。」


「ひょうきん族の懺悔室の人は確かブッチー武者っていう名前でしたね。」

「もうそんなんええねん。話戻るけどキャラのこと考えてたらゆるキャラを思い

出してん、ゆるキャラ→下火→自治体のゆるキャラ→処置に困る→不良債権→地方財政悪化の構図が浮かんでんな。それで調べたら少し前のデータでやけど北海道の自治体関係のゆるキャラだけでも160体位はあんねん。それ考えたら何とか再利用じゃないけど、再ブレークできる方法ないかなあと思ってできたのが北海道観光協会レインボーズのフォーマットやねん。今回は本当はジンギスカンのゆるキャラ登場させたかったけど許可とるのが面倒で出してないだけやねん。」


「確かにふなっしーがテレビに出なくなってから他のゆるキャラの露出度が完全におちてますよね。ねば~る君なんかプチブレイクしたけど続きませんでしたね。」


「最初の方は北海道エリアで観光地のゆるキャラ登場させていってな、連載で煮詰まる頃に本州のゆるキャラ募集しておくんや。そしたら1年はもつやろ。」


「先輩、タイトル北海道観光局でしょ、どうするんですか?」


「そこは出張ベースで対応するから問題ないやろ。」


「主人公の女の子は小学生でしょ、厳しくないですか?」


「うーん、こうしよう日本観光協会から楓ちゃんは北海道に派遣されてる体に

しよう。なんかFBIみたいに州じゃないけど県を跨いでもできるルールにするわ。」

「もう1年連載することになってますよ。早過ぎるでしょう。先輩、あと

『作品の柔軟性』に書いてる食品メーカーや飲料メーカーとのタイアップって

どういう意味なんですか?」「今は出版業界も厳しいねん。スマホやタブレットで読む時代やろ。紙媒体は昔ほど売れてないねん。本屋さん行ったら付録がメインの

雑誌がいっぱいあるで。今回ジンギスカンの話やろ、ジンギスカンのお店が

スポンサーなってくれるかもしれへんやん。」


「なんか、フリーペーパーの世界じゃないですか!スケール小さいですよ先輩。

あっ、でも飲料メーカーは確かに行けるかも。楓ちゃんが最後にイタズランに何か飲ませますもんね。それをメーカーの指定するドリンクに変更すればいいし、季節毎に新製品登場させてもOKですもんね。」


「カノン、それやったら、ベビー用品メーカーもいけるんちゃう。ただ、アニメ化されなあかんけどな。」


「路面ジャーくんは妖精だとして、普段は札幌市電として乗客乗せて走ってるんですか?そもそも読者の子供たちは観光局とかわかりますかね?小学生をターゲットにしてるんですよね。」


「子供は意外と大人の仕事に興味あるもんやで、例えば『パン屋さん』『おもちゃ屋さん』とかやったら普段行くから想像つくけど『サラリーマン』ていうと子供は何をしてる人かわかってないねん。だってサラリーマンも色々な職種あるやろ。俺もカノンもサラリーマンやけど仕事内容は違うやろ。わかりやすく大人の仕事も説明できるからこのままで行こう。それと今回は路面ジャーくんがすすきの駅で止まってる時に連絡きたから、すぐにテレビ塔まで行けたけど連載となったらたまに、

『藻岩山ロープウェイ駅にいるから後30分掛かる』に対してマサトくんが『石山通り混んでるから、豊平川沿いの道から来て』みたいな指示するくだり入れると面白いんちゃう。」


「先輩、私はこのノリ好きですけど。。。細かすぎません。札幌住んでるし人も

路面電車使ってない人とか、子供にも伝わりにくいし、さっきも言いましたけどローカル色強くないですか。そもそも路面電車は全国にどれくらいあるんですか?」


「東京は都電があるし、広島もあるやろ、それと大阪は『チンチン電車』ってみんな呼んでるしな。通天閣の近くから隣の堺市・浜寺公園まで繋がってんねん。大阪の人やったらテレビ塔を通天閣に置き換えて、藻岩山ロープウェイを浜寺公園に自動変換するよ。」


「へえー、知りませんでした。浜寺公園も山なんですか?」


「いや、大きい平地の公園でどちらかといえば海に近いけどな。大丈夫、大阪の人は変換できるから。あとこの路面ジャーくん7話か8話位で改造しようと思ってんねん、飛べるように。」


「もう、浜寺公園のことは別にいいですけどなんで路面電車を飛ばしたいんですか?」


「そもそもこの北海道レインボーズは観光局の管轄やろ、だから事件が発生しても警察みたいにサイレンならして駆け付けられへんから渋滞に巻き込まれると到着が遅くなるやろ、それと北海道は広いから紋別とか根室とか車やと時間がかかるやん。

距離と時間が稼げるし一石二鳥にも三鳥にもなるやろ。」


「飛ぶ時点で男の子向けですよね。まあ確かに札幌から紋別まで300キロ位はあるから、事件発生の連絡受けてから現場にかけつけるまで3、4時間掛かりますし、そんなに時間かかったらイタズランどっかに逃げちゃいますよね。交通ルールを守るのも大事ですから、ありっていったらありですね。」


「ただ、難点が一つあって離陸する時に時速240キロで走行するからスピード違反になるねんなあ。」


「そこはヘリコプターみたいに垂直離陸でいいでしょう。それとまだ作品一話目も

完成してないのに7、8話の話しても仕方ないでしょう。路面ジャーくんの砕氷ハンマーとか聞きたいことはについてはあるけど、まあ何となくイメージ出来てきたんで一旦置いといて、ストーリーのコアな部分で今回はジンギスカンなんですけど何か

理由はあるんですか?」


「やっぱり、ジンギスカンって言ったら北海道のソウルフードやろ、大阪でいうたこ焼き、イカ焼き、お好み焼きみたいな。」


「えっ、2個目に言ったイカ焼きって姿焼きのことですか?大阪名物なんですか?」


「どこに食いついてんねん、姿焼きじゃないよ。同じ粉ものでお好み焼きより薄くて鉄板でプレスして焼くねん。知人とか会社の人が大阪に旅行に行くときによく美味しいもの教えてって言われたら必ず『阪神百貨店の地下にあるイカ焼きがお勧めですよ』って毎回推薦してるし、そもそもたこ焼きはどこでも食べれるやろ、それに大体みんな星3つの回答くれるわ。ググってみい。」


「あっ何か写真見るとお好み焼きみたいですね。どんな味なんですか?」


「玉子入りと入っていない素焼きの2種類あるねんけど俺は昔から素焼き派やけどな。そうやなあ味はネギ焼きに近いけど、ネギ焼きも知らんやろうから、クレープを厚くして塩と出汁がベールになって細く切った以下がパラパラとまざってる感じやんエけど、難しいなあ味の説明は。でもカノンがなんかのきっかけで『私、たこ焼きよりどちらかというとイカ焼きの方が好きですねそれも素焼きの方。』って言ったらモテるで。」


「先輩、あんまり使える場面ないですけど覚えおきます。でも大阪いいですね。行ってみたいですよ。」


「今は行きやすいんちゃうかな、観光地化されて外国から観光客もいっぱい来てるしな、昔はもっとファンキーというか若干怖い雰囲気があるけでおっちゃん、おばちゃんが切り盛りしてるお店がアットホームな感じでよかったんやどな。それはいいとしてジンギスカンで何か引っ掛かる?」


「いや全然いいんですでど、イタズランのいたずらの内容がいまいちピント来なくて。」


「多分やけど、北海道以外の人はジンギスカン用のドーム型鉄板にはある種リスペクトがあると思うねん。荘厳な外観で且つラム肉の滑り止めと油を切る為に凸凹があり、まさに理にかなったフォルムになってるやろ、そこがブリリアントやねん。まあ、たこ焼きの鉄板みたいなもんやな。その象徴的なジンギスカンの鍋を反対にへこますことによって中華鍋みたいになるやろ、肉が油まみれになるっていう

カワユイいたずらや。」


「可愛いくないですよ。どちらかと言うと先輩が否定してた暴力じゃないですかね。」


「へこまされた鍋を元に戻す為に、砕氷ハンマーがいるねん。普通のハンマーでもいいけど、砕氷ってつけると北海道っぽいやろ。なんかアイテムあった方が子供は好きやからな。玩具化された時にこういうのが必要なねん。」


「(暴力のところはスルーされたな。)戦隊ものみたいですけど、最後はえーと

『ハスカップサワーレインボー』を飲ませるんですね。これが必殺技みたいなものですか?」


「そうや、ゴレンジャーでいうゴレンジャーストームみたいなもんやな。決めセリフが『しっかり飲んでね』にして必ずマサトくんが毎回必ずハスカップの効能を

説明するねん。」


「先輩、せっかく新庄監督のくだりカットしたのに増やしてどうするんですか。」


「まあ、ひとセリフだけやし何とかねじ込んで。」


「仕方ないですね。それから女の子が主役ですけど、キャラクターのタッチはどんな感じにします。」


「基本は登場するキャラクターは全部かわいい感じで書いて。少女向けにするか男の子向けにするかは決まってから編集の人と相談するわ。」


「先輩、連載するんやったら週刊マンガがいいですよ。王道ですもんね。」


「いや、週刊はしんどいな。それやったらグラジャンみたいに月2回がいいわ。」


「バリバリ青年誌じゃないっすか。まあ、全体的にかわいい感じでいいですね。」


「そこら辺はまかせるわ。マンガの連載ってやっぱり毎回ストーリーを考えるのが大変やん。このマンガのフォーマットがすごい所は、5回位何とか連載できたら途中でレインボーズに訪問して欲しい全国の自治体や観光地とかゆるキャラ募集するねん

そしたら、応募した観光地でイタズランがあばれる→レインボーズ集合→説得するが決裂→レインボーサワーで改心する→帰るのゴールデンパターンが完成。それをフォーマットにすればいいねん。それでレインボーサワーの材料はご当地の野菜や果物使えば農協関係も乗って来るやろ。最近は付加価値つける為に新ブランドの野菜や果実が続々誕生してるから競争激しいから色んな方法でPRしたいやろ。いいアイデアやろ。」


「ゆるキャラはどう活用するんですか、こっちのマンガに登場させても向こうが得するだけじゃないですか。」


「ゆるキャラはイベントに出るやろ、その時にレインボーズのPRをしてもらうのを条件にするんや。たいていのゆるキャラはしゃべられへんからタスキを作ってもらってPRしてもらうようにする。そしたら大体MCの人はそこいじってくるやろ。」


「確かにいいアイデアですね。うっすら見えてきましたね。」


「まだ、それだけじゃ弱いんね。通常はこのゴールデンパターンでいくけど、

たまにシュールな回も入れていくねん。」


「シュールな回ってクレヨンしんちゃんでネネちゃんのホラー回みたいなやつですか。」


「まあ、そうやなレインボーズでいえばジューサーミキサーくんが主役回で楓ちゃんやマサトくんが出てこないパターン。」


「えっどうするんですか?」


「ジューサーミキサーくんが切れ味悪くなってメンテナンスする回とかいいんちゃう。」


「いいですね。ミキサーのカッターの素材をタングステンに替えるとかどうすか?」


「ハハハ、そうやなそしたらコンニャクとかが逆に切れないとかにするか。」


「それは、斬鉄剣のパクリだからダメですよ。アスパラガスにしましょう。」


「いやいや、カノンそれ逆に難しいやろ。コンニャクはやわらかいからいいんや。

アスパラガスは普通やし切れへん理由がわからんやん。それやったら、軽減税率8%の物は切れて、10%の物は切れないのはどうや。」


「先輩そんなドヤ顔で言われてもダメですよ、酒類・外食を除く食料品でしょ。」


「マサトくんが時間がなくてケータリング頼んだら10%やから、ほらっ切られへんやろ。あっでも給食とかはケータリングに含まれるけど軽減税率の8%やしなあ、どうしょう。」


「いやいや、分かりにくいし何度も言いますけど子供向けですよね。」


「子供にあえてぶつけて大人社会の謎や矛盾提起していく社会派のマンガっていう線でどう?」


「先輩、シュールな回の話は一旦置いといて1回戻りましょう。まだ応募作も完成してませんよ。でも、5回位まではネタあるんですか?」


「まかせろ、ユウトさん。さっき言った紋別の話、札幌藻岩山ロープウェイ、函館の五稜郭とかストックはあるよ。」


「この回と合わせても4つじゃないですか、大丈夫ですか。」


「大丈夫、大丈夫、ヤバかったらシュールな回入れるから。」


「早いですって!シュールな回は引っ張ってからでしょう。でもとりあえず今回の話については大体イメージができたんで取り掛かってみますね。」


「カノン、今回ギャラは3万円やけど、もし今回の作品の共同作家、まあ藤子不二雄方式いや、原作と作画やから梶原一騎方式か、それやったら入賞賞金が折半になります、ちなみに今回の集談社新人マンガ大賞は200万円や。だから100万円が君のものとなります。その代わり共同作家なのでギャラは無くなりがどちらを選ばれますか?一か八か賭けてみいへんか?」


「先輩、もちろんギャラ1万円で共同作家にあと今日の飲み代もお願いします。」


「高橋カノンさん、大人になりましたなあ。分かった了解。ストーリーの最終決定権は俺で絵に関しては任せるわ、たまに文句言うかもしれんけどな。ハハハハハ。」


その日は解散した。

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