第4話 生霊
前回はマイちゃんの
***
マイちゃんは高校の時に、彼氏ができました。交際三年目くらい。照れ屋のマイちゃんは桃子になかなか彼氏を紹介してくれないのですが、一度だけ写真を見せてくれました。
モデルみたいにスタイル良くて高身長、目が薄茶色。純日本人だけどハーフっぽい顔立ち。イメージは俳優の宮世琉弥でしょうか。
マイちゃんの彼の印象。
甘いマスク、色っぽい男子なのでモテる、と桃子は思いました。
二人の出会いはマイちゃんが女友だちと遊んでいた時に声をかけられたらしい。四人で遊んでいるうちに付き合うことになった。別の高校に通う彼氏。マイちゃんは性格良くて美人さん。お似合いだ。
「マイちゃんの彼氏カッコイイね! 二人とも浴衣着て、夏祭り?」
「うんそうだよ! 近所の川で花火大会があって行ったの。これは高校三年生の時の写真かな」
まだ付き合いたて、初々しい二人のさわやかな笑顔――なのに、マイちゃんだけ白い煙? 靄がかかったように見えた。
「せっかくいい写真なのに、もったいないね」
当時はデジカメもあるが、マイちゃんはフィルムカメラが好きだった。現像するまで写真うつりがわからない。
「う……ん。実はさ、わたしも気になって、お母さんの知り合いの霊媒師に見てもらったんだ」
「へえ……」
ふつうに生活していて、なかなか霊媒師の知り合いはいないんだけど……。さすが、霊感強い従姉のミサトさんいるからね。霊感に血筋って、あるのかな。
「
「い、生霊って⁉」
生霊とは――。生きている人間の霊魂が体外に出て自由に動き回るといわれているもの。
びっくりしました。わたしの知識の中で、生霊といえば記憶にあるのは、紫式部「源氏物語」に登場する、元貴妃である
聞いた当時は平安、違った平成だったので、今の時代に生霊って! ほんとに?
「ええーっ……まさか……」
言葉を失う桃子。
「白い靄は、彼に想いを寄せる女性にみえるって……。それで彼氏に心当たりがないか聞いたの」
「うんうん、それで?」
「彼の同じクラスに、一度だけ話しかけたら、ストーカーっぽく付きまとうようになった女の子がいたって」
「へえええ……こわーっ!」
「霊媒師が言うには、ストーカーの女の子は近所の夏祭りに私たちが一緒に歩いているところを目撃して、偶然写真に念が写り込んだらしいの」
「……!!!」
念……嫉妬で女の子が生霊に――?
もしかして、好きすぎて男の子の家の前で張り付いて、二人のデートまでつけていたのかな……。彼女にしか見せない優しい笑顔。あの女さえいなければ――などと思ったんだろうかとストーカー側に思いを巡らす。
わたしはもう一度、写真をまじまじと見る、白い靄が女の子の顔に見えてきた。
ゾクゥゥゥ~~~。思わず震えあがる。
「キャー! もういいよー」
わたしは怖くてダッシュで逃げました。
「生霊」 完
***
現在もですが、学生時代、怖がりなのでマイちゃんの話から逃げてしまいました。今さらきけない(><)たぶんこんな内容です。
「源氏物語」では
みなさま、心霊写真を見たことありますか? ( ´;゚;∀;゚;) 生写真は想像以上に怖いですよ。
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