第9話自殺
太郎が転職して二週間ぐらいでわたしに夜メールが届いた。『俺は、旅立つよ。由美さんの事、幸せに出来なくてごめん。』最初、太郎が何を伝えたいのか分からなかった。『どうしたの?』『死ぬ事にした。』頭の中が真っ白になった。『死んだらダメだよ!』そこからメールは途絶えた。わたしは、心配で眠れなかった。何で?太郎が?わたしのせい?次の日の朝に太郎から『ごめんなさい。』とメールが届いた。『どうしたの?』生きてた良かった。『俺、心の病気なんだ。』病気?太郎には無縁に感じた。気が気では無かった。わたしがいるのに死のうとした?わたしが一番されて嫌な事だった。わたしは落ち込む太郎に冷たく当たってしまった。
太郎は、実家に戻った。
そこからのメールのやり取りは良く覚えていないがわたしは、電車に乗るのが怖くなった。太郎が東京まで来た。喫茶店に入ったが気まずい雰囲気。
「ごめんなさい。」
太郎は、真っ直ぐ言い訳しないで謝ってきた。
「次はないよ。」
わたしが、頭を下げる太郎に言った。
しかし、わたしは一ヶ月ぐらい不安定になった。
好きな人がわたしを置いて死のうとした事がどうしても腑に落ちなかった。太郎をその度にメールでわたしは責めた。太郎はごめんなさいを繰り返すばかりだった。
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