たしかにその「先入観」って深く浸透しているなあ、と改めて感じました。
主人公はゴブリン。「妖精」の一種ですが、そもそも妖精だと認識されていないことが多い。
そんなゴブリンが弁護士のもとを訪れ、自分たち一族の名誉を傷つけた「ある書物」を訴えたいという。
火山に投げ込まれるべきは指輪ではなく、この本であると。
ゴブリンや妖精について考える中で、ファンタジー好きなら「ああ、あれね」とニヤリとさせられるような本の内容も紐解かれていきます。
同じ妖精でも、ピクシーのようにフレンドリーなイメージで描かれるものもあれば、ゴブリンのようにいつだって悪者にされてしまう存在もいる。
その上でゴブリンと言えば知能が低そうな感じとか、悪者だとしても弱そうなイメージすらある。
なんと言っても、「RPGのザコキャラと言えば?」という質問をすれば、答えは二つ返ってくる。
一つは「スライム(DQ)」。そしてもう一つは「ゴブリン(FF)」。
これほどの偏見と、彼らは戦って勝つことが出来るか。誰かがゴブリンを美化した作品でも書き上げれば流れを変えることができるのか。
かくいうこのレビューも、一つの偏見を元に書き始めてしまった……。「ゴブリンの一人称と言えば?」と、真っ先に「この単語」を選択したことを反省せねばなるまい。