【KAC20253】KACで一作書き上がるまで

龍軒治政墫

KACで一作書き上がるまで

 KAC。

 それは年に1回だけのお祭り。

 今日はKACで一作生まれるまでの過程を見てみよう。


●お題発表


「こちら脳内捜査課――なにぃ? お題が発表されたぁ?」


 お題が発表されると、政墫まんそんおじさんの脳内で、妖精さんたちが活動を始める。


「こいつの記憶からお題と結びつきそうなものを、しらみつぶしに捜せ!」

「へぇ、ボス!」

 こうして、創作のための捜索が始まるのだ。



 一方、政墫おじさん。

「『ひなまつり』? ひなちゃんの祭りか?」

「『あこがれ』? STARDOM!か?」

「『妖精』? マルキン自転車のFairyか?」

 と、頭を抱える。



 そして半日から1日経った頃。


「ボス! ネタが見つかりやした!」

「よくやった。すぐに吐かせろ!」

「へい!」

 妖精さんの頑張りで、何を書くかが決まる。



 一方、政墫おじさん。

「あ、降りてきた……」

 のんきな物である。


●書き始める


 普段はしっかり下地を作ってから書き始め、書いてからも設定を固めていく政墫おじさん。

 KACは期間が短いこともあり、降りてきたネタを元に、ふんわりと書き始める。

 普段と違って大人数出ないので、これでもなんとか書けるのである。

 この間も、妖精さんたちは記憶の引き出しを開け閉めして、必要な知識を出している。


●トリの降臨


 全体の2/3まで書く頃には、最後トリの部分をどう書くか、見えてくる。

 こういう感じでシメたい! という一文だ。

 トリは絶対に必要なものなので、先に書いておく。

 こうすることで、規定文字数ピッタリにアプローチしやすくなるのである。


●仕上げ


 残りをトリの部分に繋がるように書いていく。

 規定文字数に届かない、オーバーランした時は、表現を変えたり、句読点で調整していく。

 最後に全体の見直しをして、出来上がったと思ったら公開。


 こうして、KACの短編が出来上がるのだ。



「ボス、やりやしたね」

「ああ。これで次のお題が発表されるまで、少しの休憩だ」

「次のお題は、なんでしょうね」

「分からん。だが、どんなお題が来ても書いてもらえるよう、我々はネタの捜索をやるぞ」

「へい、ボス!」


 脳内捜査課に、一時ひとときの平和が訪れた。



 こうして妖精さんの頑張りによって生まれた一作は、大勢の人に読まれることもなく、カクヨムの海に沈む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【KAC20253】KACで一作書き上がるまで 龍軒治政墫 @kbtmrkk

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ