【KAC20253】トリの正体

三毛猫みゃー

トリの正体

「なあトリの降臨ってどう思う?」

「どうって何がよ」

「いやな、今回のイベントでそういうのがあってさ、なんとなく気になって降臨ってぐぐってみたんだよ」

「ほう、それで?」

「ぐぐって出てきたのがさ『① 神仏やその徳などがこの地上に来臨すること。 神仏が天下ること。』だったんだよ」

「うん」

「それを踏まえてトリ降臨ってどうなんだと思ってさ」

「つまりはトリに神仏のような徳があったり天下ったりするような存在に見えないのに降臨を使うなってことがいいたいのか?」

「有り体に言えば」


 とあるネットのとあるチャット。お互い直にあったことはなくネットだけの付き合い。そんな二人が話題にしているのは、とある小説投稿サイトのイベントの話である。


「そもそもトリってあれなんなんだ?」

「何だと言われても俺が知るわけ無いだろ。まあ、神や仏ではないわな、どちらかというと妖精とかそっち系じゃないのか?」

「あれが妖精? いや、まあ、ゴブリンが実は妖精枠だったりするし妖精って言われても間違ってないか?」

「いや俺に疑問を投げかけられても知らんわ」


 結局二人にはトリの正体がわかるはずはない。きっとそれは制作者にもトリの真の正体はわからないのではないだろうか。まあわかったところでなにかがあるわけではない。


「あー、そういえば俺あのトリにそっくりなの見たことあるんだよな。色は違うんだけどさ、あのまるまるとしている感じが」

「へー、ちなみにそれってなんだ?」

「ガンモって聞いたこと無いか?」

「いや知らないが、あえていうならガンモドキなら知っているな」

「似てるが違う。俺が見たのはアニメだな。ピンク色をしていてまるまると太っていて言葉を話すトリだな」

「ふーん、それがトリに似てたってことか」

「いやよく見ると似てないな」

「似てないのかよ」

「ただな、たしか最後は鳳凰だかそう言った存在なのがわかったって話だったかな」

「鳳凰ね。鳳凰は霊獣とかだったよな。だけどトリとは関係ないだろ。あれをどこからどう見ても鳳凰には見えないしな」

「神仏の類にも見えないし妖精っぽくもなく鳳凰なんてもってのほか」

「つまりは鳥の形に似た未知の生命体っていうのが正解なのかもしれないな」

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