僕のあこがれた人たちは
@mia
第1話
僕は三歳の時からピアノを習っていた。
そこでは年に一回、他の教室と合同で発表会を行っている。
僕は小学三年の時、そこで別の小学校のある男の子の演奏に強く惹かれた。今まで誰のピアノを聴いてもそんな気持ちになったことはなかった。どこがよかったのか聞かれると困るが、彼の演奏は心に残った。
去年までの彼のピアノは上手かったが、こんな気持ちにはならなかった。一年でこんなに変わるのか。
翌年の発表会ではその男の子みたいな演奏ができるように、僕は毎日一生懸命練習をした。しかし待ちに待った発表会にその男の子はいなかった。
噂によると彼の通う小学校に彼と同じくらいピアノの上手な女の子がいたらしい。合唱大会のピアノ演奏をやりたかった彼は女の子をいじめて不登校にさせたらしい。
それで ピアノをやめさせられたと聞いた。
ショックを受けた僕はそれからピアノの練習に身が入らなくなってしまった。
そんな僕を見かねたお父さんが日曜日に僕を運動公園に連れ出した。
二人でサッカーボールを蹴った。思いっきり体を動かした僕は久しぶりにぐっすり眠れたような気がした。
お父さんの勧めもあって僕はサッカーを始めた。
そのチームは幼稚園の頃からやっているような男の子が多く僕は一番下手だったが、一番上手い男の子が僕のことを応援してくれた。僕はその子みたいになりたいと一生懸命練習したが、その男の子は万引きをして引っ越してしまった。彼の両親が不仲になり、放置された彼は親の気を引きたかったらしい。
彼が辞めて落ち込んでいたある日、僕はたまたま流れてきた芸人の動画で大笑いしてそのことを忘れた。笑いに立ち直る力をもらった僕はこんな人になりたいと思ったが、その芸人は飲酒運転で見ることがなくなった。
ある考えを持った僕はそれから成功の道を進んだ。
高校で一枠しかない有名大学の推薦をもらえたし、大学でも有力OBと強いつながりのあるサークルの代表にもなれた。教授には僕を一流企業に推してもらえたので無事に入社できた。
僕は自分の出来ることは一生懸命取り組んだ。勉強もサークルもアルバイトもボランティア活動も。
そのうえで障害になりそうな人がいたら、その人にあこがれればいい。
僕のあこがれた人たちは @mia
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