ああ、佐保姫……
笹椰かな
本文
わたしのあこがれ。それは洋風の家。出来れば新しい家がいい。
そして強い風が吹いても、その風が窓の隙間からも玄関の隙間からも入って来ない家がいい。
気温が低い日に、家の中で寒い寒いと言わずに済む家がいい。
家の中にいるのにジャンパーを着たり、背中に服に貼れるカイロを貼ったりしなくて済む家がいい。
我が家にいると、寒い日は、台所で家事をしている時に白い息が宙を舞う。息を吐き出す度に、繰り返し繰り返し舞う。
それを見る度に、ああなんてうちの中は寒いのだろうと思う。これではまるで外にいるようである。
実際に日中の気温が高めの日は、うちの中よりも外の方が暖かく感じるのだ。外の方が暖かい家ってなんだよ。
だがしかし。屋根がある家に住めている……それはありがたいことである。
屋根がなければ雨の日も雪の日も、まともに過ごすことが出来ないからだ。
だがしかし、この冬から初春にかけての寒さはなんとかならないのだろうか。
一昨日まで風邪を引いていた。ほぼ一週間経ってからようやく治った。主な理由はおそらく二つ。
春の暖かさが訪れたかと思ったら、真冬のような寒さが舞い戻ってきたこと。そして、ストレス。ストレスの原因は割愛する。
風邪を引いている間は鼻水がだらだらと出続けて、何度も何度も鼻をかんだ。
そうして何日も過ごすうちに、買い置きしてあったボックスティッシュは何箱も消えてしまった。
ティッシュ、高いのに……そう、
鼻をかんでいる時に考えたことがある。
昔の人は、鼻水が出た時にはどうしていたのだろうか?
布を使って鼻をかみ、それを洗うを繰り返していたのだろうか?
もしそうならば、使用したのが上等な布ならばまだよかっただろうが、安い布であったならばどうだろうか。鼻をかんだり、鼻の下を拭いたりした度に、痛い思いをしたことだろう。
そう考えると、ボックスティッシュは偉大だ。
いつもお店に並んでいるボックスティッシュの中から一番安いボックスティッシュを選んで買っているが、安かろとも、箱の中の白い紙は一枚一枚がつるつるさらさらとした表面をしている。
最近はボックスティッシュも結構値が張るようになったので、ボックスティッシュではなくポリ袋のような袋に入ったティッシュを買うことも多くなった。
ただ紙箱ではなくポリ袋に入っているから、量が減ってくるとティッシュが取りづらくなってしまうという点がある。
なので、無印良品の紙製ティッシュケースの中にそれを入れて使うのだ。
中身が減ると取りづらくなる点は一緒なのだが、そうなった時はティッシュの入っているポリ袋の下に丸めてあるチラシを入れて底上げをし、取りやすくしている。
丸めたチラシは普段は別の場所に置き、使い回している。
いやはや途中からティッシュの話に逸れてしまったが、やはり冬の到来後に暖かな季節がなかなか訪れないと、寒くない家にあこがれてしまう。
ああ
ああ、佐保姫…… 笹椰かな @sasayakana456
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