第3話勘違いの可能性
あの事件から数週間経った。
今も警察が捜査しているが、犯人は見つからないらしい。
「俺が犯人って事は報道されてないな、よし!
もし他に犯人がいたとしてソイツが俺んちにあった野球ボールをわざわざ持っていったとは考えにくいしな!うん!」
テレビでは現世のルパン、蘇った鼠小僧などと言われてた、鼠小僧はちょっと…
海外からは泥酔忍者と呼ばれている、忍者は日本だからで泥酔は世界中の人が泥のように心酔しているからだそうだ、なんか恥ずい…酒に泥酔して忍者やってるからあってるっちゃあってるんだけどさぁ。
今日は、一限から授業があり午前中に終わる予定だ。
ピンポーン
インターホンがなった。
「はいはーい。」
そこには、あの爽やか警察くんがいた。
今日は警察手帳を見せてきてから喋り出した。
そこには新井と書いてあった。
「何度もすみません!先間さん!
この間レインボーダイアが盗まれたのは知ってますか?」
「え?」
「え、先間さんで合ってますよね?表札とかも…あっ、もしかして今回の件も知りません⁈」
「いや、ニュースで見ましたけど…」
3話目になってやっと俺の名前出てきたんだもん…
俺先間傑!サキマスグルだからね!
「そうですか!良かった…
何か気になった事とかありますか?」
「いえ……特には…はい、無いと思いますね。」
わざと間を開けたのは断言すると疑われるとどこかの本に書いてあったからだ。
「なるほど……音とかは?」
「特段変わったことはなかったと思いますが…」
爽やか警察くんは手帳のようなものに書き込んでいく。
「なるほど、失礼ですが、その日の夜何をしてらっしゃいましたか?」
「……えまさか俺のこと疑ってるんですか?」
これは普通にめちゃくちゃ焦る。
「いえいえ!そんなわけでは断じてなく!
ただ、同じようなことを近所の人にも聞いて回ってるんですよ。その時に何か思い出す方もいらっしゃるので!」
なんだそう言うことか。
俺めっちゃ恥ずいじゃん。
「あ、そうなんですね。
すみませんなんか1人で…」
「気にしなくて大丈夫ですよ!
俺の方こそ伝え方が悪くてすみません!」
「いや、全然大丈夫ですよ。
で、その時間でしたっけ?えーと確か家で酒飲みながらテレビ見てましたよ。」
「なるほど!
では、知り合いに最近不審に思う人などはいますか?」
手帳に書き込みながら聞いて来る。
し、しつこい…
「いや、特には……あ、なんか同じ大学にいる川野とか言うやつがいろんなもの売ってるって聞きました。
でもいつもそうだから最近ではないですかねー。」
ごめん川野お前を売るしか道はない…!
「川野さんですね、失礼ですがどちらの大学で?」
「えっとー、○○大です。」
「ありがとうございます!
何か付近で不審物等があったら教えてくださいね!」
「はい、わかりました。」
「では、失礼しました!」
恐るべし爽やか、あっという間に相手のペースに飲み込まれてた。
なんか忘れてる気が…
「……あ、学校遅刻した…」
キーンコーンカーンコーン
「おいおい、お前一限何してたんだよ〜」
「いや警察官がレイダイのことでなんか事情聴取してきてさー。」
「あーそっかお前近所だもんな!
何?容疑者扱いされてたり?」
揶揄うように笑って言ってきた。
「ちげーよ!
なんか近所の人全員に聞いて回ってるらしい。」
「へー、警察ってすげー。」
今度はほぼ感情を込めてない声で反応する。
「他にはなんか聞かれたん?」
「なんか不審人物見なかったかーって。」
「なんて答えたの?」
「川野っつーいろんなもん売ってるやつがいますって言った。」
「川野ってお前笑
絶対川野容疑者じゃん笑」
少し笑いながら言ってきた。
「あー、確かにありうる笑
川野になんか奢ってやるかー。」
「金あんのかよ?」
「まぁな!こないだやったバイトでめっちゃ儲かったから!」
「でも、その分お前の部屋のアルミ缶が増えてるだろ?」
「……痛いとこつくなぁ…」
授業にて
「〜であるからして〜」
眠い授業がやってくる
ふと、隣を見ると自分の腕を枕にしてぐっすり寝てる友人がいる。
わかる、今日の2限バカ眠くなるんだよなぁ、まぁ、起こしてやるか…
「おい、おい直登!な・お・と!」
「うお!びっくりしたー
なんだよ急に…いつもお前呼びなのに…キャラ変?モテないぞ?」
「起こしてやったんだよ、殴るぞ?」
「ごめんごめん!殴らないでってー
そんで?ほんとの目的は?」
「授業後に集められるレポートまだやってないから見せて。」
「俺が殴っていい?」
この後ちゃんと見せてもらった。
やっぱ持つべきは顔が良くて頭も良くて財布の厚さ具合もいい気の合う直登だな!
その日の授業が終わり帰り道にコンビニでアルコールを買っていたらスマホに通知が届いた、あの日から1番情報が正確で速いニュースアプリを入れて通知オンにしていた。
「ん?なんだろ?」
何気なく通知をタップしてみるとそこにはタイトルに大きく『泥酔忍者捕まる!!』と表示されてる。
「え……え?え?は?ちょま……………え?」
周りには変な目で見られながらも混乱状態だった。
「俺じゃなかったってこと?
じゃあなんで俺んちの野球ボール持ってったん?
なんで俺んちにレイダイ置いてったん?
マジ意味不……これ警察に言ったら調査してくれんのかな…」
とりあえず疑問は置いておいて、アルコール買って家に帰る。
家に帰る途中挙動不審過ぎて変な宗教団体に名刺を貰った。いらねぇ…
「でもまぁ結局、俺じゃなかったってことは酒飲んでもいいってことだしいいよな!」
今日はコンビニで買ったビールとは別に知り合いから貰った高めのワインがあるのでそれを開けた。
名刺はテキトーに机に置いた。
「いやー、なんだよやっぱ俺の早とちりじゃんかよー。」
ワイングラスにワインを入れるとグラスは綺麗な赤へと変わる、それと一緒にコンビニで買ったツマミと一緒に飲む。
そして、テレビをつけてニュースを見る。
『〜容疑者の八伝手内氏は今まさに警察の事情聴取を受けており〜』
「へー、八伝手内氏って言うんだー顔写真とかないのかなーてか、俺んちにおいたレイダイどーなるのかな?
まぁ、その泥棒が俺んちに置いたって話したら気づきませんでしたで通そー。」
そう言えばレイダイどこ置いたっけなーと思いながらレイダイを探す。
「あったあった!
しっかし綺麗だなー!八伝手内はどうして盗もうとしたんだろ…ま、いっか!俺には関係ない!」
ワイングラスを再度持って中の赤を飲み干す。
「ンフフフフ……やっぱ酒って人を幸せにするなぁ…!」
すでに酔っていて半分記憶はない。
いつもより度数も値段も高めの酒ということもあり、その日は一段とテンションが上がっていた。
またワイン貰お。
「イヤッフゥゥゥゥ!!!!!!
この酒うめー!もう一杯飲んじゃお!」
またワイングラスが赤へと変わる。
俺の顔も赤へと変わる。
「うっ、流石に夜は冷えるな……毛布毛布…もうこの布でいっか。」
そばにあった布をかけて飲み始めた。
高いからちょっとずつ飲むと決めたのを忘れて、グラスの底が電球と向かいになったのを最後に俺の記憶は途絶えた。
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