憧れの女

口羽龍

憧れの女

 伸也はいつものように目を覚ました。今日も仕事だ。頑張って真剣に仕事をしないと。今日頑張れば明日は休みだ。終わったらゆっくりとできる。お酒が飲める。


 伸也は朝食の間、ある女が気になっていた。それは、行きの地下鉄で見かける女だ。とてもかわいいな。いつか、この女と結婚したいな。どうしよう。とても気になるな。彼女と一緒になる日にあこがれている。その為には、何とかして話しかけて、プロポーズして結婚できるまで仲良くならないと。その為に、何日もその女を付け回している。


「さて、今日も行くか」


 伸也は出勤した。深夜の住んでいる家は2階建てのアパートで、白い外観だ。いつか、ここで2人で一緒にいられたらいいな。その為に頑張らないと。


 伸也は最寄りの駅にやって来た。駅には多くの人が来ている。彼らの多くは通勤、通学客だ。スーツを着ている人がいれば、作業着を着ている人や、学生服を着ている人もいる。伸也は作業着だ。伸也は向上に努めていて、この服装がいいと思っている。


 と、深夜はその女を見つけた。女はいつものように電車を待っている。その女は白い服に赤いスカートを着ている。今日も可愛いな。


「あの子だな」

「ん?」


 と、その女、沙羅は何かに気付き、辺りを見渡した。だが、その気配はない。ここ最近、誰かに付きまとわれているような気がしてしょうがないのだ。不審者じゃないかだろうか? 不安でしょうがない。どうしよう。そろそろ警察に言おうかしら?


「はぁ・・・」

「どうしたの?」


 沙羅は横を向いた。そこには同僚の美奈がいる。美奈は沙羅の事を心配していた。ここ最近、変な奴に付け回されていると聞いて、警察に言った方がいいと言っていた。


「またあいつ、付け回してるのよ」

「早く警察に言いましょ?」


 と、そこに電車がやって来た。これに乗って職場に向かおう。電車は駅に停まり、ホーム柵と連動してドアが開いた。沙羅と美奈は電車に乗った。伸也も電車に乗った。伸也は隣のドアから乗り、沙羅をじろじろと見ている。


「うーん・・・、そうだ!」


 と、沙羅はある事を考えた。だが、それは誰にも内緒だ。




 その夜、伸也はいつものように帰ってきた。伸也はとても疲れていた。今週はよく頑張った。来週月曜日からも頑張ろう。そして、みんなに認められるようになろう。


「今日も疲れたな・・・」


 伸也はコンビニのレジ袋を持っている。その中には、缶ビールと柿の種が入っている。伸也はレジ袋から缶ビールをレジ袋を取り出し、机に置いた。机にはゲーミングPCがある。


「さて飲もう飲もう」


 伸也は缶ビールを開け、飲み始めた。本当に酒はおいしい。今週の仕事の疲れが取れる。


「やっぱ酒はうまい!」


 そして柿の種を食べる。これが一番の楽しみだ。このために自分は生きている。その為にもっと頑張らないと。


 その時、伸也は知らなかった。赤いドラゴンが見ているのを。


「ねっむ・・・」


 伸也は睡魔に襲われて、眠ってしまった。いつもはこれだけ飲んでもあまり眠らないのに。


 伸也が目を覚ますと、朝だ。どうやら朝まで寝てしまったようだ。缶ビールを少し飲んだだけで、こんなに眠くなるとは。どうしたんだろう。


「あれっ、ここは?」


 と、何かの叫び声が聞こえた。何だろう。伸也は首をかしげた。


「何だろう」


 伸也は外を見た。そこには赤いドラゴンがいる。どうして空想動物のドラゴンがいるんだろう。これは夢なのか? まさか、夢の世界に迷い込んだ? 伸也は状況が理解できなかった。


「えっ、ドラゴン?」


 赤いドラゴンは深夜を見ると、襲い掛かってきた。伸也は呆然とその様子を見ている。まさか、ドラゴンが自分に襲い掛かって来るとは。


「ギャー!」


 伸也は赤いドラゴンにかみつかれた。ほどなくして、意識をなくした。


 伸也は目を覚ました。まだ夜だ。どうやら変な夢を見ていたようだ。伸也はほっとした。


「夢か・・・」


 伸也はほっとした。やっぱり夢のようだ。この世界にドラゴンなんて、いないよな。ドラゴンがいたら、世界中が大騒ぎになるだろうな。


「ん?」


 と、伸也は首に違和感を感じて、首を触った。水気を感じる。伸也は手を見た。そこには、赤い何かが付いている。血だ。


 伸也は変に思い、洗面台に向かった。その傷は一体何だろう。全く理解できない。昨日の夢に何かあるのでは? そう思いながら、鏡の前に立った。


「傷・・・」


 なんと、深夜の首から血が出ているのだ。まさか、あのドラゴンが噛みついた跡? 伸也はびくっとなった。


 その陰で、1人の女が面白そうな表情で笑みを浮かべている。沙羅だ。

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憧れの女 口羽龍 @ryo_kuchiba

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