第2話

#10 小学校 プール

ののはがバタ足で泳いでいる

息が続かずに溺れそうになる

プールサイドの先生に助けられる

先生「田畑さん大丈夫 あと休んでていいからね」

ののは「うわあぁあああーっ ゔわあん」


#11 病院裏

浅黒い肌の30代の男 豊崎 男は車に資源ゴミを回収している

病院の男スタッフが呼び止める

スタッフ「悪いこれも持ってって」

豊崎「まずいっすって これは」

スタッフ「いいんだよ 期限切れの薬も処分しといて」


#12 野菜の販売所

農家夫婦「でらっとはだげらいでしょわしねな」

空の陳列かごを回収し忙しそうに山盛りの野菜を補充する

めぐりの虫食いの野菜を横目に見て

農家夫婦「薬なに使っでら 粒の薬いっぺ使わねば」


#13 滝の側

めぐり 川に足を浸して気持ちよさそう

水の中の魚に目を奪われる 

足と足の間に大きな魚が入ってきた

素早く手を伸ばし 素手で魚を捕まえる

少し笑顔になってから ひと呼吸し側の石を強めに振り下ろした


#14 納屋 

婆が大鍋で大豆を煮ている 味噌の仕込みだ

辺り一面に豆のにおいが広がる 近所の子供

ののは こゆきも 熱々の豆を食べている

味噌切機からみそがムニュムニュと出てくる

笑いが止まらない子供たち


#15 山奥 鉱山跡地

豊崎の車 後ろ半分幌をかけている 車を止める

廃品の中でも特に重そうなやつを荷台のクレーンで釣り上げる

真っ暗な穴にそれを落とした あちこちに立てに深い穴がある

細かい廃品を捨てようとしてバックし車体が傾く

豊崎「ヒャッハー」奇声を上げると慎重にドアから出る

後輪は完全に宙に浮いていた

車体の前のウインチのワイヤーを木に固定し再び運転席へ

ウィ―――ン 車が脱出できた

豊崎「ふぅ」


#16 稲刈り 田畑家

夕暮れ イナゴを捕まえたりして遊んでいる姉妹

めぐりと爺が言い争っている

コンバインの調子が悪く 何度も詰まりを起こしてたからだ

農協職員が機械を見る

職員「爺さん 分がったベルトだ 今日だばあど無理だんて明日だな」


#17 きのこ狩り

ののはと爺二人で近くの山にいる

ののはが次々ときのこを見つける

フキの葉に広げながら食べられるものと毒キノコを分ける

爺「これは食ぇば死ぬやーじ ポイッじゃ」

ののは「ポイッ」真似して投げ捨てる

爺「指なめるなや」

谷になっている小川の側で焚火を起こし鍋にきのこを入れる

カバンから味噌を取り出して入れる

爺「何の肉か分かるか?」

ののは「いのしし 熊?」

爺「熊肉だ 熊は一度に一頭しか捕ってはならね

山の神様のきまりだ」

ののは「んめ」

熱々の汁をすするののは


#18 畑 大根干し

婆とめぐり 大根の泥を洗い落としている

冷たい水にへこたれそうになってる

めぐり「しゃっけー」

婆「なんもしゃっけぐね てぶぐろはでらべ」


#19 離れの部屋 めぐりの自室

薪ストーブに火を入れる

肩にかけてた布を膝に乗せる お湯が沸きハーブ茶を入れた

イーゼルにかけてる布をとる

絵具を絞りだす 深呼吸し

筆を走らせる


#20 《回想》デザイン会社

めぐり 頭を下げている 何枚も描いた案が

床に投げ捨てられて散らばる


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