信長は子供達との相撲を終えると茶屋で一息吐いた。
「ふぅ~、スッキリした!」
「…信長様、ちょっと小耳に挟んだのですが、本当に武田信玄が攻めて来るんですか?」
茶屋の店主は心配顔でお茶を差し出した。
「…なんだ?もう噂になっているのか?」
町民の噂は早い。
尾ひれが付いて大きくなってる場合もあるが、結構核心を付いてたりする。
「せっかく信長様が町を発展させてくれたのに、また戦火に焼けてしまっては…」
「安心しろ!
例え信玄が上洛を目指して来ても、この信長が追い返してやる!」
信長は拳を握り締めてみせた。
「おぉ~、さすが信長様だ
頼りにしてますよ!」
「おう!任せとけっ!!
……あっちぃ!!」
熱々のお茶で舌を火傷した。
「信長様~、信長様~」
帰蝶は城の中で信長を探し回っていた。
「…もう、どこ行ったのかしら?」
「帰蝶様、どうしましたか?」
「恒興、信長様を見掛けませんでしたか?」
池田恒興と出会った。
「殿ですか?…会議を飛び出してから見てませんね
天守においででは?」
「…先程、見てきましたわ」
帰蝶は城のほとんどを見て回っていた。
「まさか…、また?」
「えぇ、一人で町に行ったんでしょう…」
帰蝶のこめかみがピクピクしている。
「き、帰蝶様…、殿も気晴らしが必要かと…」
「だからと言って、護衛も付けずに町に出る殿様がいますか!?」
かなり怒っているようだ。
そうとは知らず町から信長が戻ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます