第七話 信長包囲網
京の町が落ち着いてから、信長と光秀は義昭を連れて朝廷へ向かった。
光秀は朝倉家に仕えていた時に朝廷との交渉を担当していて顔が利いた。
朝廷での拝命の儀を経て、義昭は新将軍に就いた。
「これで俺達の役目は終わったな
光秀はしばらく京に残り三好一派の動きに警戒してくれ」
上洛の目的を果たした信長は、京を守るために一部の部隊を残し岐阜へ引き上げた。
岐阜に戻った信長は安堵していた。
「…新将軍も決まったし、足利家に逆らっていた三好達も京から追っ払ったから少しは平和になるだろう…」
「また、そんな甘いことを!」
「…いててててっ!」
帰蝶が信長の耳を引っ張った。
「あの義昭って弟君、思ったより曲者のようですわよ…
信長様が京を離れたらすぐに、朝廷に織田家は危険だと言い出したそうですよ!」
「なんだと!?俺のおかげで将軍になれたっていうのに…
あの生臭坊主がっ!!」
帰蝶の情報に信長が激怒する。
しかし、義昭の陰謀はそれだけではなかった。
「殿!大変です!
幕府が我ら織田家を朝敵にすると宣言しました!」
秀吉が駆け込んできた。
「俺達が朝敵だと!?」
朝敵とは朝廷に逆らったり従わなかったりした大名に対して、朝廷が攻撃しても良いという大義名分を与える事だ。
これにより織田家は全国の大名から戦を吹っ掛けられても文句を言えない立場となる。
「何で俺達が朝敵になるんだよ!?」
信長は秀吉に詰め寄った。
「そんなの知りませんよ!
それよりどうするんですか!?
武田とか上杉とかがいきなり攻めてくるかも知れないんですよ!」
秀吉は逆に信長に詰め寄った。
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