その頃、その織田家では…。
「信長様!今川は予定通り桶狭間に陣を置いたようです!」
藤吉郎が報告する。
「遂に来たか!
まともに戦って勝てる相手じゃないよな…
……やっぱり、このまま逃げちまうか?」
「「殿!!」」
家臣達が一斉に突っ込む。
「冗談に決まっているだろ!
利家!例の物は贈ってあるんだろうな!?」
「はっ!抜かりなく…」
利家は藤吉郎と一緒に桶狭間付近の物売りに金を渡し今川軍に大量の酒と飯を贈っていた。
「いいか!今川は大軍だ!
籠城戦では勝機はない……
俺達は一か八か討って出るぞ!
皆の者!明日の未明、今川軍に奇襲を掛仕掛ける!
出陣準備だぁ!」
「「「おおぉぉぉーっ!!」」」
集まった家臣達は雄叫びを上げた。
信長は大軍の今川に対し少数精鋭で奇襲を掛ける事にした。
しかし、ただの奇襲ではない。
今川軍の陣に大量の酒や飯を差し入れ、混入させた毒で戦力を削ぐ作戦だ。
今川の陣では物売り達が集まっていた。
「我ら、この辺りで商売をさせてもらっている者です
この度は今川様が上洛なさると聞いて、差し入れをお持ちいたしました」
「そうか、それは良い心掛けだ」
相手は尾張の弱小大名と油断している今川軍は差し入れを喜んで受け入れた。
「酒だ!飯だ!」
今川軍の武将や兵士は喜んで飲み食いを始めた。
「どうせ奴らは我が軍に臆して出てこないだろ?
今夜はみんな存分に食べて飲んでくれ!」
大将今川義元も完全に油断していた。
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