ゆるく巻かれたアッシュブラウンに、パッチリとした目、真っ赤な唇。

特に、バサバサとマスカラの強めな目が印象に残る子だ。

椎名宇海は、ちょっとメイクが派手な子、というのが雑誌で見た時からの第一印象。

雑誌やSNSで見た感じ、服のセンスはずば抜けていい。でもメイクがどうにもあってない、ちぐはぐとした子なのだ。

「……はじめまして」

語尾に疑問符がつきそうな和泉くんは、多分椎名のことを知らない。基本的に女性モデルを知らないのだ。テレビは普通に見るらしいが、その中で印象に残るような人がいないだとかで。

一応、男性モデルなので男性は見るらしいけれど……。

「早速本題なんだけれど、chouchouの秋の新作でCMとポスター撮影をしてもらいたいの」

「……はい？」

また、いきなり。

私も和泉くんも、目が点になる。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい