闇夜の美
@silverruby
第1話 妖しい美しさ
薄闇の中、彼の姿はひどく曖昧だった。漆黒の髪が無造作に揺れ、まるでよるそのものが彼に取り憑いているようだ。長い前髪から覗く瞳は紅色のガラス玉のようで妖しく輝いていた。
だが、そんな完璧な彼を俺は恐ろしいと思う。彼の美しい笑顔は人々をおかしくさせ、彼の細く長い指は、まるで見えない糸で誰かを操り、弄ぶ人形使いのようである。
俺も恐ろしいと分かっていながらもその美しく妖しい彼に取り憑かれるのが待ち遠しくなっている。もう全てが手遅れだ。
闇夜の美 @silverruby
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